コレージュ・ド・フランス講義録に基づくベルクソンの哲学史観の研究
Project/Area Number |
21K19956
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Research Category |
Grant-in-Aid for Research Activity Start-up
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
0101:Philosophy, art, and related fields
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Research Institution | Sophia University |
Principal Investigator |
持地 秀紀 上智大学, ヨーロッパ研究所, 研究員 (60908846)
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Project Period (FY) |
2021-08-30 – 2024-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
Fiscal Year 2022: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2021: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
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Keywords | ベルクソン / コレージュ・ド・フランス講義録 / 直観論 / プロティノス / 哲学史観 |
Outline of Research at the Start |
本研究は、アンリ・ベルクソンが1901年から1905年の間にコレージュ・ド・フランスで行った四つの講義録の分析を通じて、彼の哲学史観を明らかにすることを目指す。これらの講義で語られる「時間」、「記憶」、「自由」を主題とする哲学史は、極めて独創的な観点から紡がれており、通俗的な哲学史とは一線を画す内容が認められる。本研究では、ベルクソンが個々の哲学者に対して如何なる点で独創的な解釈を加えているかを精査し、また、同時期に形成された彼の直観論との関連も視野に入れながら、彼の哲学史観の解明を試みる。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、ベルクソンのコレージュ・ド・フランス講義録(『時間観念の歴史』、『記憶理論の歴史』、『自由問題の進展』)を分析することで、彼独自の哲学史観を明らかにし、それが彼の直観論の形成に与えた影響を探究した。 三つの講義録を紐解くことで見えてきたのは、〈時間〉〈記憶〉〈自由〉の概念を主題とするいずれの哲学史においても、ベルクソンがプロティノスを重要な哲学者とし、その歴史の中心に位置づけている点である。これは、従来の研究が参照してきた『創造的進化』第四章の記述からは窺い知ることができなかった、彼の哲学史観を知るうえで重要となる新たな視点である。 コレージュ・ド・フランス講義録におけるプロティノスに対するベルクソンの評定は大きく二通りに分けられる。一方で、ベルクソンはプロティノスを霊魂に対する「奥深い内省」によって「霊魂の生」の実相を提示しようと努めた心理学者として高く評価しており、プロティノスが示した「時間」および「意識」の概念、および「記憶」(特に平面的ではなく階層的な構造の下に語られる「記憶の生」)の概念のうちに、当時の心理学よりも優れたアクチュアリティーがあることを認めている。他方で、プロティノスの自由論については、ベルクソンはこれを批判的に論じているが、しかし、近現代まで続く「自由問題」を提起した哲学者として、依然としてその歴史上の重要性を認めている。これほどまでにプロティノスを哲学史の中心に位置づける歴史観は他に類を見ないベルクソンの独創的な視点である。 さらに本研究では、ベルクソンの直観論の形成を、以上の講義録の内容と連動させて探究した。すなわち、ベルクソンはプロティノスの霊魂論を受容しながらも、そこで自由を肯定することを目指して、単に実在の観照に終止する直観論ではなく、そこから「創造」と「行為」の局面へと展開していく直観論を形成していったと考えられるのである。
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Report
(3 results)
Research Products
(3 results)