Project/Area Number |
21K20097
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Research Category |
Grant-in-Aid for Research Activity Start-up
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
0105:Law and related fields
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
本吉 祐樹 日本大学, 法学部, 准教授 (40906161)
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Project Period (FY) |
2021-08-30 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥2,340,000 (Direct Cost: ¥1,800,000、Indirect Cost: ¥540,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2021: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
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Keywords | 自衛権 / 国連憲章 / 集団安全保障 / 安保理 / 国連 / 人道的介入 / 保護する責任 / 武力不行使原則 / 国際法 / 国際連合憲章 / 集団的自衛権 |
Outline of Research at the Start |
本研究は、国連憲章上の自衛権概念と集団安全保障概念の精査を通じて、両概念が国連憲章体制下における武力行使の合法性に与える影響について明らかにするものである。本来は異なっている、両概念の起源、その変遷の詳細を検討し、そのうえで両者の関連とその法的位置づけについて再検討する。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、国連憲章上の自衛権概念と集団安全保障概念の精査を通じ、その変化が国連憲章体制下における武力行使の合法性に与える影響について明らかにするものであった。その目的のため、まず、両概念の起源、その変遷の詳細を検討し、そのうえで両者の重なり合いとその法的位置づけについて分析するため、その方向性に沿った文献の収集や、検討を重ねていった。 本年度は、国連憲章下の集団安全保障体制に軸足を置いて研究を進めた。国連憲章体制下における集団安全保障概念は、国際の平和と安全の維持のため国連憲章第七章に定められ、安全保障理事会 (安保理) が「主要な責任」を負っている。国連憲章下における軍事的強制措置、特に安保理による軍事的強制措置について、「国連軍」無しに安保理の勧告に基づく多国籍軍による軍事行動が行えるのか否かが争点である。そこで、湾岸戦争において初めて援用された「授権方式」について検討を進め、国連憲章下において「国連軍」無しに、軍事的強制措置をとることができると結論付けた。 この点が国連憲章体制下における集団安全保障を議論する前提ともなるものである。もっともさらに検討すべき課題として、安保理が「授権方式」によって軍事的強制措置をとることが、国連憲章下における集団安全保障措置として「唯一」のものであるのか、という点がある。この点も含め自衛権と安保理による措置の関係性について掘り下げるのが今後の課題である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
3年目は自衛権、国連の集団安全保障に関わる歴史的経緯、国家実行、および先行研究を精査して、その点は、概ね順調である。海外での資料収集や学会参加もできた。 特に、チェコのパラツキ―大学にて2日間に渡って開催された「International Law and the Regulation of Resort to Force: Exhaustion, Destruction, Rebirth?」に参加できたことは大いに得るものがあった。世界各地から集まった安全保障分野の国際法の専門家と、ロシアによるウクライナ侵攻などの最新の課題について、議論を重ね、知見を深めることができたように思う。加えて、その前後で、ポーランドなど東欧諸国の歴史的な博物館などを訪問し、第二次世界大戦時、また冷戦時の欧州情勢について細かな調査、資料収集をすることができた。 これらの渡航を踏まえて、国連憲章体制下の武力行使に関する論稿についても書き進めることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
3年目の研究を踏まえて、4年目では引き続き近年の先行文献を分析しつつ、海外出張で資料収集、及び現地での意見交換を積極的に行う。また4年目においてはとりわけ、旧ユーゴスラビア諸国などを訪問し、人道的介入等をめぐる様々な資料の収集や意見交換など、できるかぎり詳しく当時の状況について研究したい。また国連体制成立時の資料等を求めて、西ヨーロッパ地域への渡航も検討している。これらを踏まえ、これまでの成果を論文にまとめ、学会で口頭発表や投稿の準備を進める。
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