Project/Area Number |
21K20118
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Research Category |
Grant-in-Aid for Research Activity Start-up
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
0106:Political science and related fields
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Research Institution | Institute of Developing Economies, Japan External Trade Organization |
Principal Investigator |
水野 祐地 独立行政法人日本貿易振興機構アジア経済研究所, 地域研究センター東南アジアI研究グループ, 研究員 (80912063)
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Project Period (FY) |
2021-08-30 – 2023-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2021)
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Budget Amount *help |
¥2,990,000 (Direct Cost: ¥2,300,000、Indirect Cost: ¥690,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
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Keywords | インドネシア政治 / イスラーム政治 / 政治的分極化 / アイデンティティ・ポリティクス / 民主主義の後退 / 社会運動 / 宗教政治 / インドネシア / 民主主義 / イスラーム |
Outline of Research at the Start |
本研究は、近年のインドネシアにおける政治的分極化に関するものである。イスラーム主義運動とそれに対抗する多元主義派の間での政治的分極化は、排他的レトリックの多用や政府による敵対勢力の封じ込めなどに伴う民主主義の質の低下を招いている。この現状について更なる理解を深めるため、ムスリム社会の間でのイスラーム主義勢力と多元主義勢力の亀裂がどのように生じているかを明らかにする。特に、イスラーム主義運動の広まりに地域的、民族的、そして階層的な差が存在している点に着目し、この差が政治的分極化に重要な影響をもたらしていることを示す。
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Outline of Annual Research Achievements |
プロジェクト1年目半ばの段階では、インドネシア政治、イスラーム政治、政治的分極化に関する文献、図書、資料収集と現地メディアと政治動向の読み込みに注力した。具体的には、イスラーム主義運動の地域的な広がりや民族コミュニティごとの受容の差について予備的調査を行った。その結果、各種世論調査や投票行動、イスラーム・アイデンティティに関する政治行動を検証した既存研究を元に、西スマトラ州、西ジャワ州、東ジャワ州のマドゥラ島など特定の地域とそれらの地域を基盤とする民族コミュニティにおいて、イスラーム主義運動の広まりと大衆における受容が特に目立っていることがわかった。対して、中ジャワ州や東ジャワ州(マドゥラ島を除く)ではイスラーム主義運動に対する抵抗が強いことがわかった。次の段階では、イスラーム主義運動が受容されている特定地域において社会構造や歴史、中央政府との関係性という面で共通点があるという仮説を立て、それがどのような特徴を持つものであるのか、イスラーム主義運動の受容が弱い地域と比較してどのような違いが存在しているのか、文献購読や現地動向の把握を通して調査を行っていく予定である。なお、この間、新型コロナウイルス感染症が原因で現地調査を実施できずにいたが、今後は渡航制限の緩和などにより現地調査の実施が可能となる見込みであり、上記地域での調査を含めた調査計画を立てていく予定である。その他に、現地調査を行う上でカウンターパートとなる現地研究機関・研究者とのネットワークの構築、そして研究を円滑に進めていく上で必要な物品の整理を行うことができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
文献、図書や資料の収集、研究を実施するにあたって必要な物品の整理などについて注力した。現段階では現地調査は実施できていないが、予備的調査の実施やカウンターパートとなる現地研究機関とのネットワークの構築を行うことができたため、今後の現地調査実施に向けて必要な準備を行うことができた。
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Strategy for Future Research Activity |
現地調査の実施に向けて準備を進めると同時に、予備的調査内容とそれを踏まえた現地でのファインディングについて考察するアウトプットの作成に向けて準備を行う。
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