Project/Area Number |
21K20123
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Research Category |
Grant-in-Aid for Research Activity Start-up
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
0107:Economics, business administration, and related fields
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Research Institution | Hitotsubashi University |
Principal Investigator |
日野 将志 一橋大学, 大学院経済学研究科, 講師 (30906920)
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Project Period (FY) |
2021-08-30 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥3,120,000 (Direct Cost: ¥2,400,000、Indirect Cost: ¥720,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
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Keywords | 耐久財消費 / 消費税 / 駆け込み需要 / 財政政策 / 景気循環 / 経済政策 |
Outline of Research at the Start |
本研究では,景気循環の影響と経済政策の効果を,家計の耐久財購入に焦点を当てて検証する.耐久財購入は,これまでの研究で主に検討されてきた非耐久財消費とは対照的に,景気循環と経済政策に大きく反応することが知られている.したがって,耐久財を分析に導入することで,社会厚生に対する含意も大きく変わる可能性がある.このような問題意識のもと,本研究では,ミクロデータとマクロデータの両方にマッチできるような耐久財モデルの構築を行い,そして,そのモデルを用いて景気循環および経済政策の効果の分析を行う.
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Outline of Annual Research Achievements |
この研究では家計に異質性があるライフサイクルモデルに耐久消費財、および耐久消費財購入に関して非可逆的な制約を追加したモデルを用いて、事前にアナウンスされた消費税に対して家計の消費支出がどのように反応するかシミュレーションを行った。このモデルを用いることにより、現実に観察される家計の消費支出のパターンを説明できることが可能となった。具体的には、家計が事前にアナウンスされた消費増税に対して、大きな駆け込み需要をするとともに、その後、家計の消費支出が数期間にわたって回復しないという実証的な事実をモデルを用いて説明した。 上記の内容をまとめた単著論文”A Model of Anticipated Consumption Tax Changes”を昨年度も国際的カンファレンスおよび国内の大学においてセミナー報告を行ったが、本年度の2022年度も京都大学においてもセミナー報告を行った。これらの発表によって、他の研究者から有用なフィードバックを多数受け取ることが出来た。 また計算を高速化する際のアルゴリズムについて理論的な整理を行うことで、単なる高速化の手段ではなく理論的な正当化を行うことが出来た。 また、消費増税に関して新たな論文を執筆している。日本の付加価値税制度とアメリカの売上税制度は異なる。この制度的な違いのために、消費増税が家計の消費支出に与える影響にも違いが出ることがシミュレーションによって分かった。これを新しい論文としてまとめる作業を開始し、継続して行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
健康上の理由が最も大きい。もともと慢性的な腰痛をもっていたが、2021年度の初夏から冬にかけてこの腰痛が劇的に悪化し、座っていることはおろか、立っていることも困難な時期があった。このため、仕事に大きな制限が生じ、大幅な遅れが生じた。2021年度以降は比較的回復したが、継続して座っていられる時間に制限を感じるため、進捗が想定より遅れてしまった。
また、無限期間視野モデルのシミュレーションが想定より困難であり、この計算に想定外の時間がかかっている。これによって、代替的な計算方法として連続時間モデルに書き換えてみるような試行錯誤も行った。しかし、連続時間モデルの数値計算も習熟のためには様々な学習、試行、検証が必要であり、困難であった。このように手法面で詰まったことが大きな問題となった。
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Strategy for Future Research Activity |
カンファレンス発表およびセミナー報告では、現在のモデルよりも単純な無限期間視野のモデルでも本研究の重要な主張は維持されるのではないかと指摘が何度かあった。したがって無限期間視野のモデルの計算を行っていたが、計算が完了していないためこれを継続したい。一方、現状のモデルに関しても十分な結果を得られているため、これまでのフィードバックを反映しつつ最終調整をしたい。
同様に日米の税制度の違いのために、消費税率の変更に対する家計の消費支出の反応が異なる点に関しても更なる分析を進め、公開可能な論文として完成させることが目標である。
また類似のモデルを用いた新規の研究を現在試行錯誤中である。この研究についても、随時進めたい。
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Report
(2 results)
Research Products
(8 results)