Project/Area Number |
21K20187
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Research Category |
Grant-in-Aid for Research Activity Start-up
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
0108:Sociology and related fields
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Research Institution | Kobe Gakuin University |
Principal Investigator |
梅川 由紀 神戸学院大学, 現代社会学部, 講師 (00909476)
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Project Period (FY) |
2021-08-30 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥2,080,000 (Direct Cost: ¥1,600,000、Indirect Cost: ¥480,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
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Keywords | ごみ / モノ / フリマアプリ / 所有 / 廃棄 / マテリアル・カルチャー研究 |
Outline of Research at the Start |
近年急速に浸透したフリマアプリは、人々のモノやごみに対する考え方に変化を与えているようにみえる。例えばフリマアプリ利用者はモノが不要になると、ごみとして「捨てる」のではなく、フリマアプリに「売る」。こうした行動はシェアリング・エコノミー、ミニマリストの登場、片づけ本の流行等とも関連し、現代社会のモノやごみに関する考え方の一側面を形成していると考えられる。 以上の社会的背景をふまえ、本研究は「フリマアプリ利用者にとってモノを所有することや、ごみとして廃棄することはどのような行為であるか」という問いの探求を通して、「現代社会における、モノやごみと人々の関わり方の特徴」を明らかにする。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は「フリマアプリ利用者にとってモノを所有することや、ごみとして廃棄することはどのような行為であるか」という問いの探求を通して、「現代社会における、モノやごみと人々の関わり方の特徴」を明らかにすることである。具体的には「(1)フリマアプリ利用者へのインタビュー調査」と「(2)理論的考察」により、明らかにすることを目指している。 2023(令和5)年度は、2022(令和4)年度に実施したインタビュー調査・学会報告時に得たコメントをふまえ、上記(2)の「理論的考察」を行った。具体的には二つの内容の資料を収集し、考察を行った。一つ目はフリマアプリに関する資料である。フリマアプリ利用者に関する統計データや、フリマアプリをめぐる社会状況に関する記事などに目を通し、最新の動向を把握した。二つ目は高度経済成長期に関する資料である。本研究遂行においては、「現代社会において、ごみやモノをどのように捉えているか」の理解が必要不可欠である。このとき、現在社会のごみやモノをめぐるスタンスの基礎を築いた時期は高度経済成長期であるという考えに至った。理由は以下三点である。(1)ごみの量・質・収集方法などの現代の基礎が構築された時期であること、(2)家電製品などの日常生活において身近なモノが、暮らしの中に普及した時期であること、(3)モノを使い捨てる習慣が拡大した時期であること、である。現在の基礎を構築した「転換点」としての高度経済成長期に着目することで、現代社会の特徴をより深く理解できると考えて注目した。その結果、ごみの概念が拡大していることが分かった。すなわち、これまでごみとみなさなかった対象をごみとみなし、新たなごみを発見している様子を明らかにした。なお、2024年1月から研究を中断(産前産後の休暇・育児休業)している。研究再開後は2023年度の知見をふまえ、さらに分析を進める予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2024年1月から研究を中断(産前産後の休暇・育児休業)していること、また中断事由に伴う体調面の理由から、当初の計画通り研究を遂行し成果を発信することや、2023年度中に研究成果をまとめ上げることができなかった。しかしながら、2023年度は理論的考察を進めることができた。研究再開後は、2023年度に得た知見をもとに研究を仕上げる予定である。なお研究再開後は体調面の理由は払拭できているため、問題なく研究を遂行できる。
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Strategy for Future Research Activity |
研究再開後は、分析をさらに深めるとともに、成果を論文にまとめ、研究の完了を目指す。 具体的には、研究再開後、2023年度実施した理論的考察を踏まえてインタビュー調査の結果を分析し、考察を深める。なお考察の途中、進捗状況等によっては適宜学会発表にエントリーし、学会で新たな知見を得ることも視野に入れながら、成果をまとめる。インタビュー調査自体は終了していること、2023年度に理論的考察を進めることができたことから、現時点で懸念される大きな課題はない。研究は十分遂行可能と考えられる。
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