盲ろう児に対するコミュニケーション指導アプローチの検討
Project/Area Number |
21K20255
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Research Activity Start-up
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
:Education and related fields
|
Research Institution | National Institute of Special Needs Education |
Principal Investigator |
河原 麻子 独立行政法人国立特別支援教育総合研究所, 研究企画部, 研究員 (50908481)
|
Project Period (FY) |
2021-08-30 – 2024-03-31
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2023)
|
Budget Amount *help |
¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2022: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2021: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
|
Keywords | 盲ろう / 盲ろう教育 / Child-Guided Strategies / コミュニケーションに関する指導 / deafblind / 教員研修 / コミュニケーション指導 / Child-guided strategies |
Outline of Research at the Start |
盲ろう児(視覚聴覚二重障害児)教育において、コミュニケーション獲得は最も重要な課題である。これまで、初めて盲ろう児を担当する教員に対する専門性向上に向けた研究はなされてきたものの、その後教員が長期的にコミュニケーション指導を行うための支援についてはあまり議論されてきていない。 そこで本研究では、我が国における盲ろう児に対するコミュニケーション指導の現状を把握する。そのうえで、盲ろう教育に先駆的に取り組む欧米諸国で用いられているChild-Guided Strategies(CGS)の理論を明らかにする。これらの結果を踏まえて、CGSの理論が我が国の教育現場でどのように活用できるか検討する。
|
Outline of Annual Research Achievements |
令和5年度は、主に2つの研究を行った。1つは、令和3~4年度から継続して行ってきたChild-Guided Strategies(CGS)に関する文献調査である。令和4年度末に実施した聞き取り調査の結果を踏まえながら、CGS構築の過程における議論を整理した。 2つ目は、国内の教員を対象としたインタビュー調査である。聴覚障害の特別支援学校において、盲ろう児の自立活動(コミュニケーション)を担当する教員1名に、指導開始時から年度末まで、どのような課題を感じ、どのようにそれらを克服してきたかを聞き取った。得られたデータは、複線径路・等至性モデル(Trajectory Equifinality Model:以下TEM)を用いて分析した。本教員は、2度生徒と「通じ合えてうれしい」という等至点に至ったが、その過程においては、所属する特別支援学校の専門性以外の障害種の知識を得にくいという課題や、様々な視点を持った者同士(本事例ではST)が実際に目の前の子供とかかわりながら考えることで困難克服につなげていた。本結果は、第61回日本特殊教育学会にてポスター発表を行った。令和5年度末には、聴覚障害の特別支援学校において盲ろう児指導にあたる教員2名にインタビュー調査を実施した。合計3名の結果から、共通して通過するポイント(必須通過点)等を考察した。 本研究全体を通して、盲ろう教育に先進的に取り組む国外のアプローチを取り巻くこれまでの議論から、盲ろう児のコミュニケーションに関する指導において大切にされてきたことを整理することができた。併せて、わが国における取組や課題の一部を捉えることができたことから、今後教育現場におけるニーズに応じた研修等を検討するための示唆が得られたと言える。
|
Report
(3 results)
Research Products
(1 results)