自己保護機能を持つ永久電流・ヘリウムフリー高温超伝導磁石技術の開発
Project/Area Number |
21K20419
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Research Activity Start-up
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
0301:Mechanics of materials, production engineering, design engineering, fluid engineering, thermal engineering, mechanical dynamics, robotics, aerospace engineering, marine and maritime engineering, and related fields
|
Research Institution | Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
末富 佑 国立研究開発法人理化学研究所, 生命機能科学研究センター, 基礎科学特別研究員 (20908587)
|
Project Period (FY) |
2021-08-30 – 2023-03-31
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2022)
|
Budget Amount *help |
¥3,120,000 (Direct Cost: ¥2,400,000、Indirect Cost: ¥720,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
|
Keywords | 高温超伝導磁石 / 強磁場磁石 / NMR / クエンチ / 極低温冷凍機 / 電磁界解析 / 熱伝導解析 / 導電性エポキシ樹脂 / 電気的接触抵抗 / 電気等価回路解析 / 高温超伝導 / 超伝導磁石 / ヘリウムフリー / 強磁場 |
Outline of Research at the Start |
超伝導磁石は幅広い分野で応用されている。これらの応用機器を高温超伝導磁石でアップデートできれば、従来を凌駕する強い磁場の発生、装置のコンパクト化、冷却コストの激減等が実現する。これが未だ広範な社会普及に至っていないのは、従来の磁石巻線手法では (a) 磁石保護技術、(b) 永久電流運転技術、(c) 冷凍機冷却技術を全て満たした理想的な高温超伝導磁石が成立しないためである。これに対して、独自に考案した巻線手法である層内無絶縁レイヤー巻は、(a)-(c)の技術を同時に満たす事が期待できる。本研究では、層内無絶縁レイヤー巻を軸に、3つの技術要素を満たした理想的な高温超伝導磁石の開発を目指す。
|
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題において、(a)磁石保護技術、(b)永久電流運転技術、(c)冷凍機冷却技術を全て満たした理想的な高温超伝導磁石の開発を目指している。本年度は、技術開発が必要な課題の抽出を目的として、小型900 MHz (21 T 級) NMR 用永久電流・ヘリウムフリー高温超伝導磁石の設計・保護挙動の解析、また、(c)冷凍機冷却の要素技術開発を目指した基礎検討・試験準備を実施した。 電磁界解析によって磁石幾何形状を検討した結果、磁石の小型化のために、「インナーノッチ構造を採用した新しい巻線構造の実証」、「磁石軸方向の電磁力の定量化・補強法の考案」が必要だと見出した。また、クエンチ挙動を数値解析した結果、研究遂行者らが提案した巻線方式である層内無絶縁(LNI)法を用いて磁石を保護するためには、巻線内部の電気的接触抵抗率ρctを100 mΩcm2程度に制御することが必要だと定量的に明らかにした。この値を実証するため、昨年度基礎検討した導電性エポキシを用いたρct制御技術を用いて、実際にLNI高温超伝導磁石を製作した。しかし、試験結果から推定されたρctは~4 mΩcm2と、基礎検討により得られた~100 mΩcm2より約2桁小さい値となった。コイル形状でρctを制御するためには、条件の再検討・最適化が必要だといえる。 LNI法に対して(c)冷凍機冷却を適用した際の冷特性について数値解析を用いて調査した。LNI高温超伝導磁石は、巻線内部に熱伝導が良い銅シートを有しているため、従来の高温超伝導磁石よりも冷却特性が向上する。磁石内部のある単一の層に対して熱伝導解析を実施したところ、室温から4 Kまで冷却するのに、従来の高温超伝導磁石では約8.5時間の冷却時間を要したのに対し、LNI高温超伝導磁石では約2時間に短縮されることが明らかになった。LNI法は冷凍機冷却に対して好適だといえる。
|
Report
(2 results)
Research Products
(4 results)