Project/Area Number |
21K20471
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Research Category |
Grant-in-Aid for Research Activity Start-up
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
0304:Architecture, building engineering, and related fields
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Research Institution | Sojo University (2022-2023) Kansai University (2021) |
Principal Investigator |
野村 直樹 崇城大学, 工学部, 助教 (90909962)
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Project Period (FY) |
2021-08-30 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2022: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2021: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
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Keywords | 耐震補強 / RC造 / 片側鋼板補強 / 非耐力壁 / 鋼板補強 |
Outline of Research at the Start |
本研究は、耐震化の進んでいない区分所有の集合住宅に対する耐震補強工法を開発し、耐震化を促進させることを目的としている。対象として、旧耐震基準の集合住宅で共用部にある鉄筋コンクリート(RC)造の非耐力壁に対して片側から鋼板を取り付け、耐震性を向上させる片側鋼板補強工法の開発を行う。 RC壁に対しあと施工アンカーを用いて鋼板を取り付け、RC壁と鋼板との隙間は無収縮充填材を入れ一体化させる。片側鋼板補強工法の充填材の厚さや鋼板の厚さを変数として、縮小した試験体を作成し水平加力実験を行い、耐震性能を把握する。それら実験結果をまとめて、設計法について検討する。
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Outline of Annual Research Achievements |
公立の小中学校の耐震化については99%近くまで進んでおり、病院などについても8割近くの耐震化が進められている。しかし、人が最も生活する住宅の特に区分所有のマンションのような集合住宅においての耐震化は、それらほど進んでいない。1981年以降の建物については新耐震基準で設計されており、大地震に対し耐えられるものになっているが、それ以前の建物については耐震性に注意すべき建物もみられる。集合住宅には各住民が専用で生活する専用部と共用廊下やバルコニーなどの居住者の共同で利用する共用部に分かれる。専用部は常時住民が利用していることから、耐震補強の場所として住民からの合意がとりにくいことがあるため、それ以外の共用部で補強ができるようにすることが集合住宅の耐震化に重要である。そこで、集合住宅の共用廊下にある非耐力壁に着目し、共用部からの鋼板を用いた補強で既存RC壁を利用した複合耐震壁による耐震補強工法を開発する。 本研究ではRC壁単体に鋼板を取り付け、RC壁と鋼板との間に無収縮モルタルを充填した工法の補強効果を確認し、本工法を新たな耐震補強工法とするため、設計法の開発・提案することを目的とした。本年度はRC試験体に鋼板を取り付ける際、無収縮モルタルの充填厚さを変数として作成した。本実験において、無補強のものと比べせん断耐力は上昇し、さらに変形性能も向上した。ただ、無収縮モルタルの厚さが厚くなると、せん断耐力上昇の効果は低下し、ほとんど無補強のものと同等の耐力となった。また、同場合の変形性能は無補強のものと比べると上昇したが、無収縮モルタルの厚みが小さいものと比べて低い値を示した。すなわち、本工法を施工する際の無収縮モルタルの充填幅は極力小さいほうが、より鋼板へ力が伝達し、補強効果が得られると考察した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
令和4年度は、大学の移動があり、試験体図面ができ、資材発注が終えた状態であった。令和5年度は、RC試験体を5体作成し、3体分の実験を終えた。3体の実験結果から薄型耐震補強工法の補強効果が確認でき、有用なデータを得ることができた。ただ、実験が残っている試験体があることから「やや遅れている」と判断している。
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Strategy for Future Research Activity |
令和6年度は、令和5年度に作成した試験体の実験が行えていなものに対して随時以下のものを実験していく予定である。それらを実験することにより、本補強工法の補強時の設計法について検討していきたいと考えている。 <令和6年度の実験予定> ・令和5年度に実施した試験体の充填される無収縮モルタルの厚さは同様であるが鋼板の厚みが厚いもの ・無収縮モルタルの充填範囲がもの
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