Project/Area Number |
21K20571
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Research Activity Start-up
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
0601:Agricultural chemistry and related fields
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
石川 規子 京都大学, 農学研究科, 研究員 (20910623)
|
Project Period (FY) |
2021-08-30 – 2022-03-31
|
Project Status |
Discontinued (Fiscal Year 2021)
|
Budget Amount *help |
¥3,120,000 (Direct Cost: ¥2,400,000、Indirect Cost: ¥720,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
|
Keywords | C4光合成 / 光合成電子伝達 / 植物生理生化学 / 弱光条件 |
Outline of Research at the Start |
トウモロコシなどのC4植物は大気中のCO2を濃縮して効率の良い光合成をおこなうが、CO2の濃縮に必要なATPは太陽光を利用して光合成電子伝達により生成されるため、曇天などの弱光条件ではそのポテンシャルを十分に発揮できない。弱光下でのATPの生成には、光合成電子伝達の副次的経路であるNADHデヒドロゲナーゼ様複合体 (NDH) に依存する経路 (NDH経路) が重要なことが強く示唆されているが、その詳細については明らかでない。本研究ではNDH経路のC4植物における機能を分子生物学的・生化学的に解明し、長梅雨や夏の天候不順などを克服する方策につなげることを目指す。
|
Outline of Annual Research Achievements |
C4光合成にとって不利となる弱光条件にあっては、光合成電子伝達の副次的経路であるNADHデヒドロゲナーゼ様複合体(NDH)に依存する経路(NDH経路)の働きが重要となることが、C4植物フラベリアのNDH抑制株を用いた先行研究により示されている。しかし、その機能の詳細については未だ十分な解析はおこなわれていない。そこで本研究では、弱光条件におけるNDH経路の分子機能の解明を目的として、フラベリアのNDH抑制株を、ある程度の大きさに育てた後、弱光ストレスを与え、光合成への影響について解析をおこなった。 その結果、至適光強度よりやや弱めの約250 μmol photons m-2 s-1 で栽培すると、葉のクロロフィル濃度に低下が見られ、更により弱い光条件(約50 μmol photons m-2 s-1)でストレスを与え続けると、光化学系IIのポテンシャルを示す分光学的指標であるFv/Fmや葉面積当たりのタンパク質量の低下が見られることが明らかとなった。 また、光合成電子伝達、カルビンサイクル、C4光合成に関与するタンパク質についてイムノブロット解析をしたところ、光化学系IIの反応中心タンパク質D1の葉面積当たりの蓄積がNDH抑制株で低下していた。この結果はFv/Fmの低下とも一致していた。カルビンサイクルで炭酸固定を担う酵素、リブロース-1,5-ビスリン酸カルボキシラーゼ/オキシゲナーゼ(ルビスコ)の蓄積にNDH抑制株とコントロール株で差はなかったが、CO2濃縮経路の初発酵素、ホスホエノールピルビン酸カルボキシラーゼ(PEPC)の蓄積は葉面積当たりの全タンパク質量が減少しているにも関わらず、NDH抑制株で増加していた。この結果から、NDHの抑制によってPEPCが関与する反応の前後のCO2濃縮経路の代謝産物に変化が生じ、PEPCの蓄積にフィードバックがかかった可能性が示唆された。
|