トランスクリプトーム関連解析によるコムギ種子関連シス・トランス因子の網羅的単離
Project/Area Number |
21K20585
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Research Activity Start-up
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
0602:Agricultural and environmental biology and related fields
|
Research Institution | Fukui Prefectural University |
Principal Investigator |
西嶋 遼 福井県立大学, 生物資源学部, 助教 (00841561)
|
Project Period (FY) |
2021-08-30 – 2024-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
|
Budget Amount *help |
¥3,120,000 (Direct Cost: ¥2,400,000、Indirect Cost: ¥720,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
|
Keywords | 合成パンコムギ / タルホコムギ / ゲノム間クロストーク / シス・トランス因子 / 種子 / 胚乳 / RNA-seq / トランスクリプトーム関連解析 / 合成6倍体コムギ / トランスクリプトーム / 異質倍数体 / 祖先野生種 / コムギ |
Outline of Research at the Start |
一般に異質倍数体種は、様々な環境に応じて同祖遺伝子の発現を調整することで、祖先二倍体種に比べて高いストレス耐性を示す。近年、モデル植物の異質倍数体種において、ゲノム間の発現バイアスと有用形質との関連性が議論されてきたが、特にコムギではゲノムの複雑性から理解が進んでこなかった。本研究では、倍数性進化の過程を人為的に再現した合成6倍体コムギ系統群と、祖先二倍体種のゲノム多型情報を組み合わせることによって、トランスクリプトーム関連解析の適用を試みる。発生段階の任意の一点、あるいはストレス条件下で働くシス・トランス因子を網羅的に単離できれば、エンハンサーの改変など、新たな育種への展開が期待される。
|
Outline of Annual Research Achievements |
一般に異質倍数体種は祖先二倍体種に比べて高いストレス耐性を示す。これは、様々な環境に応じて同祖遺伝子の発現を調整し、使い分けることで、適応性を向上させてきたためと考えられている。近年、モデル植物の異質倍数体種において、ゲノム間クロストークによる発現バイアスと有用形質との関連性が議論されてきたが、特にコムギではゲノムの大きさと複雑性から理解が進んでこなかった。本研究では、倍数性進化の過程を人為的に再現した合成6倍体コムギ系統群と、祖先二倍体種のゲノム多型情報を組み合わせることによって、コムギにおけるトランスクリプトーム関連解析の適用可能性を検証する。植物の発生段階の任意の一点、あるいはストレス条件下で働くシス・トランス因子を網羅的に単離できれば、エンハンサーの改変など、新たな育種への展開が期待される。 本年度は、合成パンコムギ82系統ならびにABゲノム提供親の4倍体品種Langdonの開花1週間後の胚乳を材料にトランスクリプトーム解析を行った。研究計画時点ではBrAD-seq法(Townsley et al. 2015)による3’末端RNA-seqライブラリを予定していたが、同祖遺伝子を判別できなくなると考え、全長のライブラリに変更した。パンコムギ参照配列(the IWGSC RefSeq v2.1 from URGI repository: Alaux et al. 2018)由来のABゲノムとタルホコムギ参照配列(Aet_v5.0: Wang et al. 2021)を統合した擬似合成パンコムギ参照配列に対し、EAGLE-RC (Kuo et al. 2018)を用いて同祖遺伝子を区別しながらリードをマッピングした。その結果、発現していた7726同祖遺伝子群のうち、84.1%はサブゲノム間で発現に差がなく、15.9%はいずれか1つのサブゲノムで高発現ないし低発現を示した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本年度は、合成パンコムギ82系統の胚乳のトランスクリプトームデータの取得と、穂や種子の形態形質の調査を行った。しかし、胚乳からのRNA抽出、ライブラリ調製、シーケンス解析の各工程に予定よりも時間を要し、年度内は初歩的な解析に止まり、トランスクリプトーム関連解析には至らなかった。
|
Strategy for Future Research Activity |
サブゲノム間で発現に差の認められた1228同祖遺伝子群を中心に、タルホコムギの多型情報(Gaurav et al. 2021)を用いてTWASを実施する。TWAS内におけるGWASにはrrBLUP (Endelman et al. 2011)を、eQTL解析にはMatrix eQTL (Shabalin 2012)の使用を予定している。
|
Report
(2 results)
Research Products
(12 results)