ルジョウイルスにおける宿主域の推定と治療標的の探索ー受容体CD63に注目してー
Project/Area Number |
21K20609
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Research Category |
Grant-in-Aid for Research Activity Start-up
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
0605:Veterinary medical science, animal science, and related fields
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
齋藤 健 北海道大学, 人獣共通感染症国際共同研究所, 博士研究員 (70908722)
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Project Period (FY) |
2021-08-30 – 2022-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2021)
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Budget Amount *help |
¥3,120,000 (Direct Cost: ¥2,400,000、Indirect Cost: ¥720,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
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Keywords | アレナウイルス / ルジョウイルス / 細胞内侵入 / ウイルス受容体 / 宿主動物 |
Outline of Research at the Start |
ルジョウイルス(LUJV)はヒトに致死的な出血熱を引き起こす。しかし、宿主動物や抗LUJV薬開発に繋がる情報は十分でない。本研究ではLUJV受容体であるCD63に着目した。本研究ではLUJV感染の鍵となるCD63のアミノ酸を特定、さらにLUJVの表面糖蛋白質(GPC)とCD63分子間相互作用への影響を評価、相互作用メカニズムの一端を解明する。また特定したアミノ酸をCD63に有する動物種が、LUJV感受性動物である可能性を探る。加えて、GPCとCD63の分子間相互作用を標的とする中和抗体等によるLUJV感染抑制効果を検証し、その治療標的としての有効性を確かめる。
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Outline of Annual Research Achievements |
ルジョウイルス(LUJV)はアレナウイルス科に属し、ヒトに致死的な出血熱を引き起こす。LUJVは2008年にアフリカ南部にて一時的なアウトブレイクを引き起こしたが、以降感染者の報告はなく、疫学調査でも検出されておらず、その生態は謎に包まれている。またその希少性故にワクチンや抗ウイルス薬は開発されていない。本研究ではLUJV受容体であるCD63に着目し、LUJVの宿主域の解明や抗ウイルス薬の開発を目指した。 これまでの研究からヒトCD63のC末端側のループ構造(LEL)のうち141~150番目のアミノ酸配列がLUJV感染に重要であることがわかっている。変異体ヒトCD63を用いた解析から143番目のフェニルアラニン(F143)がLUJV感染に重要であることが明らかになった。F143は一部のげっ歯類を除いた哺乳類で広く保存されており、LUJVは広い宿主域を有することが示唆された。CD63はLUJVの表面糖タンパク質(GPC)との相互作用することが示唆されたため、Biacoreを用いた分子間相互作用解析を行った。しかしながらLUJV GPCとCD63の相互作用は非常に弱く、その他の分子が相互作用に影響することが考えられる。ヒトCD63の141~150番目のアミノ酸配列を基に合成した部分的CD63ペプチドによるPVSV-LUJVに対する感染阻害効果を検証したが、感染抑制は認められなかった。LUJVに対する中和抗体の作出を目指し、分泌型組換えLUJV GPCをマウスに免疫し、ハイブリドーマを樹立し高い活性を示す中和抗体を得た。さらに、EGFP-HiBit発現HEK293細胞とmCherry-LgBit発現HEK293細胞を作製し、低pH下でのLUJV GPCによる細胞間膜融合の新たな評価系を樹立した。
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Report
(1 results)
Research Products
(7 results)