Project/Area Number |
21K20627
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Research Category |
Grant-in-Aid for Research Activity Start-up
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
0701:Biology at molecular to cellular levels, and related fields
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
川崎 洸司 東京大学, 定量生命科学研究所, 特任研究員 (90911925)
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Project Period (FY) |
2021-08-30 – 2022-03-31
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Project Status |
Discontinued (Fiscal Year 2021)
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Budget Amount *help |
¥2,860,000 (Direct Cost: ¥2,200,000、Indirect Cost: ¥660,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
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Keywords | エンハンサー / ライブイメージング / 超解像顕微鏡 / ショウジョウバエ / 胚発生 / 転写制御 |
Outline of Research at the Start |
エンハンサーと呼ばれるゲノム上の調節領域は、標的遺伝子から数十kbから数百kb離れた遠位から転写を制御することができるという特筆すべき重要な性質を持つ。しかし、遠くに位置するエンハンサーがどのように標的遺伝子に作用し転写の開始を誘導するのか、という最も基本的な分子機構は依然として未解明である。本研究では、近年注目を集めている転写因子の濃縮された核内微小環境に着目し、エンハンサーによる転写活性化機構の解析を行う。独自の転写ライブイメージング系と超解像顕微鏡技術を新たに組み合わせることでエンハンサー活性と転写因子の時空間的な動態の同時計測を実現し、転写活性化の「場」の作用実態の解明を目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、ショウジョウバエ初期胚を用いて、エンハンサー活性と転写因子の時空間的な動態を一細胞レベルの解像度でライブ計測できる実験系の構築を目指した。まず、内在性転写因子とのクロストークを避けつつエンハンサー活性をよりシンプルに評価するために、ウイルス由来の外来転写因子VP16をショウジョウバエ初期胚中に発現させ、MS2レポーター配列近傍にテザリングした。興味深いことにレポーター配列から10 kbも離れたゲノム領域にVP16をテザリングするだけで標的遺伝子から明瞭な転写バーストが引き起こされた。その他にも転写メディエーターのサブユニットをテザリングすることでも同様に標的遺伝子の転写が活性化された。これらの結果は、遠位エンハンサー活性の発揮には転写因子単独のテザリングのみで十分である可能性を示唆しており、エンハンサーの作用動態を考える上で重要な知見となり得ると考えられる。 また、上記で作製したMS2レポーター系と超解像顕微鏡技術を組み合わせることで、VP16タンパク質の核内動態とエンハンサー活性を同時に可視化することに成功した。転写バーストが引き起こされる際にはエンハンサー上において一過的にVP16タンパク質のクラスターが生じており、その濃縮度は転写バーストの強度と強く相関していることが明らかとなった。
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