Project/Area Number |
21K20907
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Research Category |
Grant-in-Aid for Research Activity Start-up
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
0902:General internal medicine and related fields
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
鈴木 敦詞 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 研究員 (00750580)
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Project Period (FY) |
2021-08-30 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥3,120,000 (Direct Cost: ¥2,400,000、Indirect Cost: ¥720,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
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Keywords | 甲状腺 / SLC26A7遺伝子 / オルガノイド / 甲状腺オルガノイド / SLC26A7 / 先天性甲状腺機能低下症 |
Outline of Research at the Start |
「ミニ臓器」である甲状腺オルガノイドを用いることで、先天性甲状腺機能低下症の新規原因遺伝子であるSLC26A7遺伝子の甲状腺内での役割を試験管内で詳細に検証する。また、SLC26A7の機能を失った甲状腺オルガノイドに対して、SLC26A7の遺伝子を発現するように遺伝子編集を行い、その甲状腺オルガノイドをSlc26a7ノックアウトマウスへ移植する実験を行う。これによって自身の細胞を用いた全く新しい治療法への応用を目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
先天性甲状腺機能低下症の病態解明を目的として、甲状腺オルガノイドを用いた機能解析系の確立とその治療応用に対する研究課題であるが、甲状腺オルガノイドについては免疫染色でPax8、Tgといった遺伝子の発現を認め、甲状腺濾胞細胞と類似したキャラクタリゼーションを確認できている。ZO1による免疫染色で極性の評価を実施したところ、甲状腺オルガノイドにおける内腔がいわゆる甲状腺濾胞細胞の濾胞側に相当することを確認し、解剖学的にも生体内における甲状腺の特性を十分保有しているモデルを確立しており、生体内に近い条件での評価に大きく貢献するものと考えている。 また、Slc26a7ノックアウト(KO)マウスからも同様の手法で甲状腺オルガノイドを作成することができた。先天性甲状腺機能低下症のモデルマウスから甲状腺オルガノイド作成をした報告は本研究が初めてであり、甲状腺疾患の病態解明に結びつく重要なステップと考える。しかしながら、甲状腺オルガノイドをマウスの腎皮膜下に野生型マウスから作成した甲状腺オルガノイドを移植し、マウスの甲状腺機能の変化、腎皮膜下での甲状腺オルガノイドの組織学的な機能評価を試みたが、十分な評価はできていない。マウス甲状腺から甲状腺オルガノイドを作成し、レンチウイルスベクターを用いてVenusを発現させたところ問題なく遺伝子導入が可能であることが確認済である。また、甲状腺ホルモンの測定系を、同時に大量の検体の解析を可能とし、かつ少量のサンプルで解析可能なコストパフォーマンスのよい手法に切り替えた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
in vitroでオルガノイドの機能評価を行うにあたっては、甲状腺組織と類似した成熟した濾胞構造を再現する必要性があるが、遺伝子発現については概ね甲状腺組織と類似した発現を示しているものの、機能的な評価として、甲状腺ホルモンの産生は依然として確認できていない。また前年と同様に、レンチウイルスによるオルガノイドへの遺伝子導入について、Venusの導入は問題なく可能である一方で、まだSlc26a7といった目的の遺伝子導入効率が十分ではないことで、その後の実験計画にも影響を及ぼしている。
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Strategy for Future Research Activity |
オルガノイドが機能的な役割を果たしていることを確認するために甲状腺ホルモンの産生の程度を検証する必要があり、今後、新たな検査系を用いた甲状腺ホルモン産生の評価を実施していく。現在、遺伝子導入のために使用しているレンチウイルスベクターについては、ウイルス濃度を上昇させるような仕組みを構築していく。
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