Project/Area Number |
21K20962
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Research Category |
Grant-in-Aid for Research Activity Start-up
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
0906:Surgery related to the biological and sensory functions and related fields
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
小田 紘子 東京大学, 医学部附属病院, 特任臨床医 (90892802)
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Project Period (FY) |
2021-08-30 – 2022-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2021)
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Budget Amount *help |
¥3,120,000 (Direct Cost: ¥2,400,000、Indirect Cost: ¥720,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
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Keywords | 胎盤 / トロンボモジュリン / 妊娠高血圧腎症 / Drug delivery system / 胎盤機能不全 |
Outline of Research at the Start |
これまでの研究でrTMが胎盤で抗炎症作用を発揮し胎盤機能不全を修復する妊娠合併症の治療薬となりうることが示されてきたが、rTM製剤は副作用の懸念から妊婦への投与は禁忌である。本研究ではDDS技術を応用しrTMを胎盤限局性に作用させることで副作用を減らし、妊娠中に投与可能なrTM製剤を作ることを目的としている。これまでがん治療領域にしか浸透しなかったDDS技術を、胎盤を治療ターゲットとした妊娠合併症治療薬開発に応用した本研究は、DDS開発領域と周産期領域の双方とって新しい試みであり、今後DDS技術の周産期分野への進展に大きく寄与するものである
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Outline of Annual Research Achievements |
妊娠合併症新規治療戦略として、我々はDrug Delivery System技術を応用した胎盤標的型キャリアを開発し、PEG付加によるPEG化rTM製剤(rTMPEG)を作成した。PEG鎖にリコンビナントトロンボモジュリン (rTM)分子を結合させ分子量を大きくすることで、胎盤限局性に集積する胎盤標的型rTMを創薬した。さらにPEGに結合させたrTMの分子間距離を調整することで、薬剤の胎盤絨毛間腔表面への接着率が上がることを見出し、胎盤局所の薬理作用を向上させることに成功している。これらの発見の検証として蛍光標識したrTMPEGをヒト絨毛がん細胞株(BeWo細胞)に添加し、共焦点レーザー顕微鏡にて薬剤の細胞表面への接着率の比較実験を行い、rTMPEGがrTM単体と比べて細胞表面接着率が高いことを確認した。さらに蛍光標識したrTMPEG及びrTM を妊娠マウスに静脈投与し、12、24、48時間後に臓器(胎児、胎盤、肝臓、腎臓、脾臓)を摘出し体内薬剤分布を比較した。In Vivo Imaging System(IVIS)により各臓器への薬剤集積量を計測した結果、 rTMPEGが胎盤に限局集積し胎児や他臓器には集積しないこと、 rTM単体と比較してrTMPEGが長時間胎盤内に留まることを示した。摘出した胎盤組織を共焦点顕微鏡にて観察し、絨毛管腔にrTMPEGが集積することを確認している。さらにこのrTMPEG製剤を正常妊娠マウスに投与し妊娠経過を観察したところ、rTMPEGは胎仔や胎盤の重量を増加させ、胎盤組織の血管新生を促し、胎盤機能の改善作用を示すことを明らかにした。今後は妊娠高血圧腎症のモデルマウスに実際に薬物投与を行い、治療効果を検証していく予定である。
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