カーボンナノホーン修飾チタン上における骨形成とリモデリング機構の解明
Project/Area Number |
21K21029
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Research Activity Start-up
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
0907:Oral science and related fields
|
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
木村 貞仁 北海道大学, 大学病院, 医員 (60910635)
|
Project Period (FY) |
2021-08-30 – 2024-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
|
Budget Amount *help |
¥3,120,000 (Direct Cost: ¥2,400,000、Indirect Cost: ¥720,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
|
Keywords | カーボンナノホーン / M1マクロファージ / M2マクロファージ / 分極化 / 組織リモデリング / インプラント / マクロファージ / 破骨細胞 / 骨芽細胞 |
Outline of Research at the Start |
申請者らは,高い生体適合性を有すカーボンナノホーン(CNHs) を用いた口腔インプラントの開発を目的としている.既にCNHsを貪食したマクロファージが骨芽細胞の分化を促進し,CNHsを修飾したTi(CNHs/Ti)により骨形成が促進されることを報告した.インプラントの正常な骨結合には埋入後の免疫反応と骨リモデリングが不可欠である.本研究では,CNHs/Tiの骨形成メカニズムへの関与と骨リモデリングに与える影響を調べるためにin vivo でのCNHsを貪食したマクロファージの分極と,骨芽細胞と骨髄間質細胞の共培養における発現因子を検索する.
|
Outline of Annual Research Achievements |
これまでに,カーボンナノホーン(CNHs)を表面修飾したTi(CNH/Ti)上でマクロファージを培養し,マイクロアレイによる遺伝子解析,ELISAによるサイトカインの発現分析,レーザー共焦点顕微鏡を用いた免疫細胞学的観察を行ってきた.それに加えて当該年度においてはqRT-PCRによるサイトカインの測定を行い,マイクロアレイ解析を行った. その結果,M1マクロファージが分泌する骨形成の阻害因子である炎症性サイトカインTNFαとIL6が有意に低く,M2表現型のIL10については,CNH/Tiの方が有意に高かった.CNHsがマクロファージの組織再生に関与するM2マクロファージへの分極を誘導する可能性をより強く示唆した. また,CNHs/Tiのin vivoでのマクロファージの分極ならびに骨リモデリングの解析のために,BALB/cAマウス(6週齢)の頭蓋骨に直径4mmの骨欠損を形成しCNH/Tiで被覆した.7日後にて周囲組織とともに摘出し,脱灰パラフィン標本を作成した. まずHE染色にて周囲組織に炎症性細胞の発現を確認した.次に免疫組織化学染色を施し,マクロファージの発現を確認した.その上でM1マーカーであるCD86とM2マーカーであるCD206で蛍光免疫染色を行った.in vivoにおいてもCNH/Ti周囲のマクロファージのM2の蛍光強度は,Ti周囲と比較して高い傾向を示した. 以上の結果を第12回ナノカーボンバイオシンポジウムと第131回日本補綴歯科学会学術大会にて発表した.第131回日本補綴歯科学会学術大会においては最優秀ポスター賞を受賞した。 今後はこれらのin vivoにおける蛍光強度を定量化し分析していく予定である.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
①in vitroにおいて,qRT-PCRによるサイトカインの測定でも,CNHsがマクロファージの組織再生に関与するM2マクロファージへの分極を誘導する可能性を示唆した. ②in vivoにおいてもCNH/Ti周囲のマクロファージのM2の蛍光強度は,Ti周囲と比較して高い傾向を示した. ③以上の結果を,第12回ナノカーボンバイオシンポジウムと第131回日本補綴歯科学会学術大会にて発表した.第131回日本補綴歯科学会学術大会では最優秀ポスター賞を受賞した.
|
Strategy for Future Research Activity |
CNHs/Tiのin vivoでのマクロファージの分極ならびに骨リモデリングの解析をするために,引き続き組織学的,免疫組織学的に解析する.蛍光免疫染色による蛍光強度を定量化し分析する. さらに,CNHsが骨形成メカニズムとリモデリングに与える影響を解明するためにCNHs/Tiで骨芽細胞および骨髄間質細胞を播種し,共培養を行う.骨髄間質細胞は骨芽細胞との共培養によって破骨細胞へ分化し,骨芽細胞は破骨細胞分化因子であるNF-κBリガンドの受容体活性化因子(RANKL)を発現する.CNHsの骨芽細胞および破骨細胞への影響をタンパクレベル,遺伝子レベルにて分析する.同時に付与したナノ構造が両細胞の増殖や分化に与える影響も検索する予定である.
|
Report
(2 results)
Research Products
(4 results)