Project/Area Number |
21K21308
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Research Category |
Grant-in-Aid for Research Activity Start-up
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
1002:Human informatics, applied informatics and related fields
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
上村 淳 東京大学, 生産技術研究所, 特任助教 (50582847)
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Project Period (FY) |
2021-08-30 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥3,120,000 (Direct Cost: ¥2,400,000、Indirect Cost: ¥720,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
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Keywords | 自己複製 / 細胞分裂 |
Outline of Research at the Start |
自己複製能は細胞の重要な性質です。細胞は、多種多様な分子を複製し細胞分裂することで、自己とほぼ同じ細胞を作り出すことができます。個々の素反応は確率的で揺らぎながらも、いかに恒常的な自己複製能を実現しているのでしょうか? 本研究では、この細胞成長・分裂と制御の問題に数理解析とデータ解析の両輪で取り組みます。本研究で得られる知見は、細胞生理学に限らず、人工自己複製分子・細胞の設計や合成生物学、高次元データ解析を伴うバイオインフォマティクスなど広い基礎・応用の問題に貢献することが期待できます。
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Outline of Annual Research Achievements |
これまで本研究では、化学反応ネットワークの幾何学構造を考えることで、化学反応でしばしば前提とされる法則を仮定しない一般的な形で化学熱力学の理論を構築し、自己複製反応に伴って系の体積が増殖するための条件を定式化した。本年度は、昨年度に引き続き、これまで考えた熱力学的な条件に加え、化学反応によって変化できる化学分子の分子数に代数的な拘束(化学量論的拘束)がある場合について数理的な解析と数値計算をより詳細に行った。このような化学量論的拘束は、細胞内の代謝反応ではしばしば見られるものであるが、自己複製反応における重要性はあまり注目されてこなかった。今回、化学反応により変化できる状態が制限されることに起因して、初期条件によって化学反応ネットワークが辿る運命(増殖するか、減衰するか、平衡にいたるか)が変化することを示した。この結果は、体積変化を伴う化学反応ネットワークの平衡状態がどのように決まるかを定式化し、また複数の拘束がある中でどのように細胞成長が実現するのかを理解する上でも重要な理論的知見を与えるものと考えている。以上の結果を原著論文としてまとめ、現在投稿中である。また、生物の画像データへの応用を念頭に、機械学習を使ったデータ解析手法の開発も進めている。一方、昨年度まで感染症蔓延の影響で出張が想定より行えなかったため、本年度は海外出張を含む国際会議・研究会に積極的に参加し、これまでの研究成果について発表を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初の計画以上に進展しており、本年度中に原著論文を執筆し、投稿中である。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度までに行ってきた研究の方向性を継続し、これまで構築した理論的枠組みを、振動反応を伴う自己複製反応の場合など、より複雑な細胞モデルに応用することで理論を発展・展開させる。
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