Creating Taiwan MONYO Design Archive: Documentation for Indigenous Cultures of Ethnic Minorities in Asia
Project/Area Number |
21KK0002
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Research Category |
Fund for the Promotion of Joint International Research (Fostering Joint International Research (B))
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Medium-sized Section 1:Philosophy, art, and related fields
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Research Institution | Tama Art University |
Principal Investigator |
深津 裕子 多摩美術大学, 美術学部, 教授 (20443145)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
勝又 公仁彦 京都芸術大学, 芸術学部, 准教授 (10897523)
ヲノ サトル 多摩美術大学, 美術学部, 教授 (20407836)
佐々木 成明 多摩美術大学, 美術学部, 教授 (60350245)
チン ホウウ 多摩美術大学, 大学院美術研究科, 助教 (80838590)
村尾 静二 清泉女学院大学, 人間学部, 講師 (90452052)
JANG Bitna 多摩美術大学, 美術学部, 助手 (90913731)
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Project Period (FY) |
2021-10-07 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥18,850,000 (Direct Cost: ¥14,500,000、Indirect Cost: ¥4,350,000)
Fiscal Year 2025: ¥5,070,000 (Direct Cost: ¥3,900,000、Indirect Cost: ¥1,170,000)
Fiscal Year 2024: ¥3,250,000 (Direct Cost: ¥2,500,000、Indirect Cost: ¥750,000)
Fiscal Year 2023: ¥3,250,000 (Direct Cost: ¥2,500,000、Indirect Cost: ¥750,000)
Fiscal Year 2022: ¥3,380,000 (Direct Cost: ¥2,600,000、Indirect Cost: ¥780,000)
Fiscal Year 2021: ¥3,900,000 (Direct Cost: ¥3,000,000、Indirect Cost: ¥900,000)
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Keywords | 台湾 / 文様 / デザインアーカイヴ / 少数民族 / アート / 民族衣装 / 台湾原住民 / 民族芸術 / アーカイヴ / デザイン / 芸術資源 / デザイン教育 / 少数民族文化 |
Outline of Research at the Start |
本研究では台湾の少数民族文化を研究対象に文様デザインアーカイヴを創造する。台湾の先住民族は自然と共生した生活の中で祖先や自然を崇拝しアニミズムを信仰し独自の言語や文化を形成してきた。身体をはじめ生活全般を装飾する文様は、部族の世界観を表すとともに、歴史的なプロセスと文様創造の作法の記録でもある。本研究ではこのような芸術資源のデザインの源泉を明らかにし総合的に研究することで、文様のロードマップをデザインする。そして新たな文様を創造する支援ツールの提案、21世紀の文化を表象するオリジナルの文様の創造を通じて、アジアのアート&アーカイヴ教育に寄与したい。
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Outline of Annual Research Achievements |
研究者らは文化の諸相を「文様という人間が創造したヴィジュアルイメージ」により検証し、その成果でアート&デザインアーカイヴを構築し、それを用いた新たな創造による芸術作品やデザインを導きだす研究及び教育活動を推進している。本研究では台湾でのグローバル化に伴い消失する少数民族文化を研究対象に、 台湾の文様デザインアーカイヴを創造し、アジアのアート&デザイン教育に役立てる研究に着手した。台湾の先住民族(以下、台湾原住民)は、日本の沖縄やアイヌの人々と同様に、自然と共生した生活の中で祖先や自然を崇拝しアニミズムを信仰し独自の言語や文化を形成してきた。身体装飾をはじめ生活用具、家屋、 船、宗教儀礼用品を装飾する文様は、各部族の世界観を表し、歴史的なプロセスと文様創造の作法の記録でもある。本研究ではこのような芸術資源について理解 を深めるために日本国内で基礎的な文献資料・写真資料を収集した。 2022年11月にコロナ禍による台湾での渡航制限が緩和されたため、現地での第1回調査を実施することができた。台湾側研究者とも現地で合流しながら今後の調査計画を確認した。台北・台中・台南で調査を行った。台北では1738年に創建された龍山寺の文様調査を行い、共同研究者が所属する輔仁大学を表敬訪問し服飾研究所と服飾学部を視察した。山間部では台湾原住民のうち布農族、鄒族関係者に取材することができた。布農族の集落を巡りながら芸術活動をするアーティスト(陶芸・彫刻など)を訪問したほか、外交・服飾・言語・音楽の観点からの話題を数名の布農族から取材した。南投県・嘉義県・高雄県に分布する鄒族の集落では、原住民代表委員より民族の歴史や日本の研究者との関係性などの講話を聞くことができた。また台湾での先端的な原住民教育を実践する小学校を視察し今後の調査への協力関係を築くことでき、これからの調査の足掛かりを得た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
2022年11月にコロナ禍での台湾への渡航制限が緩和されたため、現地調査を5名の研究メンバーで実施することができた。一方で本研究を申請した当初と社会情勢や経済状態が変容し、海外調査にかかる渡航費や宿泊費がほぼ倍増した。そのため当初予定していた各自が年間2回の渡航調査を実現は難しいことがわかり、1年あるいは2年に1回の頻度の海外調査の実施に変更せざるを得なくなった。また台湾原住民の民族衣装の調査は博物館で資料閲覧するほか、地域社会で継承されている祝祭を見学することが効果的である。しかしながら2022年度は、多くの祝祭がキャンセルされたこともあり、当初予定していた調査が計画通りにできず研究が遅れる結果になってしまった。一方で原住民のアーティストへのインタビューを実施することができた。その内容を翻訳するにあたり台湾語だけでなく現地語も含まれているため想定以上に時間を要している。また台湾では原住民の文化や慣習、伝統文化の教育的な普及も行われており行政的な保護活動が充実していた。そのため、台湾原住民に関する調査結果としてのヴィジュアルイメージやそこから発想を得て創作する芸術作品については、場合によっては文化の盗用になりかねないという問題に直面した。例えば現代社会でも文化の盗用問題が世界中で浮上しているが、台湾では原住民文化の保護のため、部族に所属しないものがその部族に関連するものを制作することはない、というような捉え方が一般的になっていた。そのため本研究における研究成果の公開については慎重に進めているため、今年度の成果物の公開が遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
渡航制限が緩和しほぼ正常に回復したため、今後はこれまで遅れをとっている調査を推進する。2023年度は多くの台湾原住民の集落で豊年祭をはじめとする祝祭や行事が実施されるようである。また情報提供者からの内容を精査すると部族を代表するような大きな祭典と、各集落で開催される祝祭があることがわかったので現地調査を計画的に実施する必要がある。 原住民のうち布農族、鄒族については2022年度に最初の調査を実施できたため、他部族への調査も進め、台湾原住民の全容を網羅できるように努める。布農族の専門家やアーティストに行ったインタビューの内容については翻訳を行ったうえで、情報提供者に確認をとりながら編集し映像アーカイヴにする予定である。また収集した文献・写真資料についてもアーカイヴに含める情報の整理と分類を行う。 新たに収集した資料をもとに、研究分担者が芸術作品の制作にも着手する予定であるが、遅延の理由でも指摘したような文化保護の観点からの倫理的問題についても十分に検討するとともに、また海外共同研究者とも連絡を取り合いながら進めていく。特に台湾原住民の各部族の代表委員らと連絡をとれるようにし、本研究に対する相互理解を深めていきたい。
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Report
(2 results)
Research Products
(2 results)