Project/Area Number |
21KK0014
|
Research Category |
Fund for the Promotion of Joint International Research (Fostering Joint International Research (B))
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Medium-sized Section 4:Geography, cultural anthropology, folklore, and related fields
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
西前 出 京都大学, 地球環境学堂, 教授 (80346098)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
淺野 悟史 京都大学, 地球環境学堂, 助教 (10747869)
時任 美乃理 京都大学, 地球環境学堂, 特定助教 (20824220)
小林 広英 京都大学, 地球環境学堂, 教授 (70346097)
|
Project Period (FY) |
2021-10-07 – 2025-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
|
Budget Amount *help |
¥18,980,000 (Direct Cost: ¥14,600,000、Indirect Cost: ¥4,380,000)
Fiscal Year 2024: ¥4,030,000 (Direct Cost: ¥3,100,000、Indirect Cost: ¥930,000)
Fiscal Year 2023: ¥7,410,000 (Direct Cost: ¥5,700,000、Indirect Cost: ¥1,710,000)
Fiscal Year 2022: ¥4,940,000 (Direct Cost: ¥3,800,000、Indirect Cost: ¥1,140,000)
Fiscal Year 2021: ¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,000,000、Indirect Cost: ¥600,000)
|
Keywords | 社会実装 / 地域資源管理 / カンボジア・ラタナキリ / 地域計画 / 農村開発 / ベトナム・フエ / 国際研究グループ / 地域資源 |
Outline of Research at the Start |
途上国では安価な労働力や豊かな自然資源を先進国に搾取されつつも,徐々に経済発展を成し遂げてきた。しかし,既存のグローバル経済に依拠した成長には陰りがみえつつあり,ポスト成長経済を見据えた新たな発展の形の模索と,これを担う人材育成を始める時期に来ている。本研究は,農村部においてプランテーションが進むカンボジア,ベトナム,都市化により農村部の社会的側面の変化が多様なモロッコ,インドにおいて,真に地域に利する地域開発の在り方を追求するとともに,若手研究者の交流を促進して,研究ネットワークの構築も試みる。
|
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,限りある資源を切り売りすることで成り立ってきた生業構造を,元々ある地域資源を最大限に活かすことによって改善するための理論を構築し,その理論を利害関係者との議論を通じて,地域が受容できる形で提案すること,および,その社会還元を行うことを最終的に目指している。研究の2年目として,初年度に引き続き関連文献レビューとこれまでの調査経験から得た知見を基に地域資源情報の整理,および重点的に収集すべき情報と調査項目の最終設定を行った。Covid-19による影響により調査地のひとつであるカンボジアへの渡航は実施できなかったが,現地共同研究者に依頼する形で,統計局等から多種のデータを収集することが可能となった。王立農業大学の共同研究者からは対象地の概略についてオンラインで紹介もしてもらった。もう一つの調査地であるベトナムへは,2022年10月に渡航ができ,現地調査の実施,利害関係者との会合を持つ事ができた。収集してきたデータを元にした議論を通じて,3年目以降の研究方針についても議論を行った。若手研究者との研究会も開催し,最先端の地域研究の成果について共有した。 ベトナムの対象地域の農業は稲作とプランテーションが中心である。その他にもキャッサバやバナナの小規模栽培,家畜を有している世帯もある。近隣の都市からの物流も増えてきており,物品・食料・肥料の購入に加え,子供の教育のための資金が必要となりつつある。一方で,プランテーションでの栽培作物の構成比が変わりつつあることを現地視察にて確認し,その背景について検討した。 Zoomを用いて,不定期開催となったが,おおよそ月に二度の頻度で遠隔定期セミナーを実施した。ここでは,研究進捗報告,関連文献レビュー,プロジェクトの方向性の確認等を行った。ベトナム・カンボジア・日本の若手の人材育成と人的ネットワーク形成の端緒を形成したものと考えている。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
Covid-19の影響により,カンボジアへの渡航は実施できなかったが,共同研究者に依頼する形で,必要な社会経済データ,地理的データの取得を進めた。ベトナムへの現地調査は実現でき,可能な限りのデータ(地理情報,関係者への聞き取り等)を収集することができた。また,これらのデータの一元管理を行い,一部はGISデータとして整備を行った。また,オンラインによる遠隔定期セミナーは昨年度に引き続き実施したこと,およびベトナムでは十分な現地調査を実施したため,おおむね順調に進展していると評価できる。
|
Strategy for Future Research Activity |
調査準備として関連文献レビューとこれまでの調査経験から得た知見を基に地域資源情報の整理,および重点的に収集すべき情報と調査項目の設定を行った。次に,カンボジアの対象とする村で,世帯ごとの住民への悉皆調査(全世帯調査)を実施し,近年の生活状況や変化,収入の状況(概略のみ),土地利用,生業の変化等の情報を収集する。 生活構造の変質を明確化するため,プランテーションによる生業の多様性喪失・相続のための土地の細分化・養育費(特に教育費)の割合・互助関係の弱体化等,生活構造の構成が変化した事で,外的要因に曝される要素が,生活構造のどの程度の割合を占めているのかを統計的に示す。それぞれの要素が住民の生活構造にとって負の要因であるか,正の要因であるかも聞き取りの状況や文献を参考にして検討し分類する。 検討した脆弱性の要因を検証するため住民への追加調査と行政への詳細な聞き取りを実施する。行政機関では,稲作,畜産,プランテーションといった生業の種類と収入に占める割合について集落の状況と過去からの変遷について聞き取り,かつその資料を収集する。生業が特定のプランテーションへ完全に特化した世帯も多く存在すると想定されるため,こうした世帯の収入状況,買い付け価格の変遷,普段の食料の入手方法なども明確化する。特に現地調査を実施できていないカンボジアでの集中的な現地調査を予定している。 また,遠隔セミナーについては,本年度も継続して実施し,若手育成およびネットワーク形成を強固にすることを目指す。
|