Seawater recycling delivered by oceanic plate recorded in the Chenaillet ophiolite, western Alps
Project/Area Number |
21KK0060
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Research Category |
Fund for the Promotion of Joint International Research (Fostering Joint International Research (B))
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Medium-sized Section 17:Earth and planetary science and related fields
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
川本 竜彦 静岡大学, 理学部, 教授 (00303800)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
谷内 元 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 地質調査総合センター, 研究員 (00913956)
田阪 美樹 静岡大学, 理学部, 准教授 (80772243)
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Project Period (FY) |
2021-10-07 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥18,980,000 (Direct Cost: ¥14,600,000、Indirect Cost: ¥4,380,000)
Fiscal Year 2025: ¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2024: ¥4,550,000 (Direct Cost: ¥3,500,000、Indirect Cost: ¥1,050,000)
Fiscal Year 2023: ¥4,420,000 (Direct Cost: ¥3,400,000、Indirect Cost: ¥1,020,000)
Fiscal Year 2022: ¥4,420,000 (Direct Cost: ¥3,400,000、Indirect Cost: ¥1,020,000)
Fiscal Year 2021: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
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Keywords | オフィオライト / オフィカーボネイト / 蛇紋岩 / 炭酸塩 / 沈み込み帯 / アルプス造山運動 / 流体包有物 / 海洋底変成作用 / 塩濃度 / 海水 / 水ー岩石相互作用 |
Outline of Research at the Start |
日本列島のようなプレートの沈み込み帯のマントルには、海水に似た塩濃度をもつ塩水流体が存在する。塩水は真水と異なり炭酸塩を溶存する特徴があり、炭素循環に重要な役割を果たす。この描像は「陸側のプレート」に産出する火山岩や流体包有物の観察に基づいて描いた。本研究では、フランスとイタリアの国境をまたいだ西アルプスというプレート衝突帯に露出する「沈み込む前のテチス海洋プレートの岩石」と、「沈み込んだままの岩石」という生成条件の異なる岩石に着目して、海洋プレートの沈み込みの前後に塩素や炭素がどのように移動するかを明らかにする。
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Outline of Annual Research Achievements |
2022年8月に、フランス・イタリア アルプスにて、フランス側から3名の研究者、日本側からは1名の大学院生と3名の研究者で、合計7名参加して地質調査と岩石試料採取を行った。 採取し研究を行った岩石試料は西アルプス・ピエモンテ帯の近接する2地域のオフィオライトから採取した。この地域は低速拡大であった古テチス海で形成された海洋コアコンプレックスを含む海洋リソスフェアが衝上したものである。ほとんど沈み込んでいないシュナイエオフィオライトとグリーンシスト相の変成を受けたラゴネロオフィオライトの2地点のオフィカーボネートを研究対象とした。 シュナイエオフィオライトのオフィカーボネートは蛇紋石の角礫を炭酸塩鉱物が充填しており、一部球状の炭酸塩鉱物が蛇紋石の角礫を置き換えている構造も見られる。一方、ラゴネロオフィオライトのオフィカーボネートでは枝状に分岐する炭酸塩脈が発達しており、シュナイエとは構造が異なる。どちらのオフィオライトも炭酸塩鉱物はすべてカルサイトであった。ラマン顕微鏡によると流体包有物の成分としては水しか確認できなかったが、冷却加熱実験中に一部CO2を含むクラスレートと考えられる相を観察した。流体包有物のほとんどが鉱物形成時に形成された一次包有物、または列状に分布する擬二次包有物である。塩濃度はどのサンプルも5 wt.% NaCl eq.程度であり、これは海水の塩濃度より1.5 wt%程高い。シュナイエオフィオライトのマトリックスを構成する炭酸塩と球状炭酸塩の均質化温度はともに140-150℃程度である。一方、ラゴネロオフィオライトの炭酸塩脈の均質化温度は220℃程度とシュナイエオフィオライトより高い温度を記録する。両者の均質化温度の違いが、沈み込み帯での変成作用によるかどうか今後検討を行う。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
目的とした地質調査を行い、岩石試料を採取し、流体包有物の観察を行うことができている。同時に、調査地域でなされている最新研究を含めた既存研究の勉強も行うことができている。観察した流体包有物は、ほぼ海水よりも少し高い塩濃度を持つものが多く、また、その塩濃度の組成幅も大きい。これらの性質は、従来私たちが研究してきた沈み込み帯チャネルの岩石に含まれる流体包有物の特徴と類似する。本研究の最初の結果は期待通りであるが、期待を超える新たな謎やそれを解く鍵はまだ見つかっていない。
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度は9月に、イタリア アルプスに位置する、よりプレートの沈み込みによる変成作用の影響の高い地域の地質調査と岩石試料採取を計画する。現地調査には、日本から学生2名と研究者3名で参加する。フランス側も学生数名と研究者4名が参加する。これまで流体包有物の塩濃度と均質化温度しか議論に使用していなかったが、変成作用を無視できない岩石であるため、変成鉱物の共生関係も含めて議論する計画である。
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Report
(2 results)
Research Products
(10 results)