Project/Area Number |
21KK0062
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Research Category |
Fund for the Promotion of Joint International Research (Fostering Joint International Research (B))
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Medium-sized Section 17:Earth and planetary science and related fields
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Research Institution | Japan Agency for Marine-Earth Science and Technology |
Principal Investigator |
高野 淑識 国立研究開発法人海洋研究開発機構, 海洋機能利用部門(生物地球化学センター), センター長代理 (80399815)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
古賀 俊貴 国立研究開発法人海洋研究開発機構, 海洋機能利用部門(生物地球化学センター), 特別研究員(PD) (30912034)
坂井 三郎 国立研究開発法人海洋研究開発機構, 海洋機能利用部門(生物地球化学センター), 主任研究員 (90359175)
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Project Period (FY) |
2021-10-07 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥18,980,000 (Direct Cost: ¥14,600,000、Indirect Cost: ¥4,380,000)
Fiscal Year 2025: ¥2,340,000 (Direct Cost: ¥1,800,000、Indirect Cost: ¥540,000)
Fiscal Year 2024: ¥4,420,000 (Direct Cost: ¥3,400,000、Indirect Cost: ¥1,020,000)
Fiscal Year 2023: ¥5,850,000 (Direct Cost: ¥4,500,000、Indirect Cost: ¥1,350,000)
Fiscal Year 2022: ¥5,460,000 (Direct Cost: ¥4,200,000、Indirect Cost: ¥1,260,000)
Fiscal Year 2021: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
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Keywords | 小惑星リュウグウ / アミノ酸 / キラリティ / 核酸塩基 / 可溶性有機分子群 / 地球帰還粒子 / 元素組成 / 物質科学的性状 / ピリミジン塩基 / プリン塩基 / 有機宇宙化学 / 分子進化 / 高分解能分子レベル分析 / 非破壊・破壊分析 / イメージング分析 |
Outline of Research at the Start |
本研究代表者は、「はやぶさ2計画」の試料採取チーム(サンプラー)メンバーであり、小惑星リュウグウ試料帰還を成功させたメンバーの一人である。また、初期分析の有機分析グループメンバーとして、試料の初期分析(2021年6月開始)を担当しており、アメリカ航空宇宙局・ゴダード宇宙飛行センターの招聘研究員を兼務している。本国際共同研究の学術的独自性は、「はやぶさ2(日本)」および「オシリスレックス(米国)」(2023年帰還予定)計画を双方相乗的に最大化し、2つの太陽系始原天体での水ー有機物ー鉱物の相互作用の解明を含め、有機分子レベルの初生的な分子進化を読み解くことである。
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Outline of Annual Research Achievements |
今年度の上半期は、独自に開発した高精度な核酸塩基分析手法を駆使して、最古の太陽系物質である炭素質隕石(マーチソン隕石やタギッシュレイク隕石など3種)から、全ての生物のDNA・RNAに含まれる核酸塩基5種(ウラシル、シトシン、チミン、アデニン、グアニン)すべての同時検出に世界で初めて成功し、2022年4月27日(水)公開のNature Communications誌にhighlighting paperとして、公開された。同日、海洋研究開発機構、北海道大学、九州大学、東北大学、アメリカ航空宇宙局(NASA)らと共同プレスを行った。 今年度の下半期は、「はやぶさ2」が持ち帰った小惑星リュウグウ試料に含まれる可溶性有機分子を分析し、成果をScience誌に発表した(2023年2月24日 公開)。リュウグウは小惑星帯で最も多いC型小惑星に属する暗い始原的な小惑星で、炭素質コンドライト隕石のような含水鉱物に富んでいる。始原的な炭素質コンドライトにはアミノ酸を含む様々な可溶性有機分子が存在することが知られており、生命の誕生につながる前生物的有機分子を初期の地球や他の天体に供給した可能性がある。まず、1回目のタッチダウンサンプリングで得られたリュウグウ表面試料に含まれる有機分子を日米欧の研究チームで分析を行い、その結果、アミノ酸やアミン、カルボン酸、芳香族炭化水素、含窒素環状化合物など種々の有機分子が検出された。 さらに、小惑星リュウグウに核酸塩基とビタミンが存在することをNature Communications誌に発表した(2023年3月22日 公開)。本研究グループが培ってきた有機分子レベルでの精密分析技術や実証経験が、太陽系物質科学の統合的な理解に貢献できることを期待したい。本研究は、海洋研究開発機構・HMT株式会社・慶應義塾大学・東京工業大学の共同研究の一環として行われた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
Science誌に2編、Science Advances誌に1編、Nature Communications誌に2編を含め、国際誌へ原著論文の成果を着実に公表している。
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Strategy for Future Research Activity |
今後、「はやぶさ2」プロジェクトだけでなく、米国主導の小惑星サンプルリターン計画「OSIRIS-REx」(#1)や日本主導の火星衛星サンプルリターン計画「MMX」(#2)など、厳選された地球外サンプルリターン計画が進行しており、直近では2023年9月にOSIRIS-RExが炭素質小惑星ベヌー(Bennu)のサンプルの受入準備を進める。 (#1)小惑星サンプルリターン計画「OSIRIS-REx」 … 米国NASAが主導する国際共同ミッション。 OSIRIS-REx:Origins, Spectral Interpretation, Resource Identification, Security, Regolith Explorerの略称。概要は、こちら(https://www.youtube.com/watch?v=QunVAWABQSc)。 (#2)火星衛星サンプルリターン計画「MMX」 … 日本JAXAが主導する国際共同ミッション。 MMX:Martian Moons eXploration missionの略称。概要は、こちら(https://www.youtube.com/watch?v=yiS6NdpEL2A)。
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