Project/Area Number |
21KK0073
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Research Category |
Fund for the Promotion of Joint International Research (Fostering Joint International Research (B))
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Medium-sized Section 22:Civil engineering and related fields
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
本多 了 金沢大学, 地球社会基盤学系, 教授 (40422456)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
阿部 貴志 新潟大学, 自然科学系, 教授 (30390628)
松浦 哲久 金沢大学, 地球社会基盤学系, 准教授 (90771585)
沈 尚 国立研究開発法人国立環境研究所, 地域環境保全領域, JSPS特別研究員 (20882426)
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Project Period (FY) |
2021-10-07 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥19,110,000 (Direct Cost: ¥14,700,000、Indirect Cost: ¥4,410,000)
Fiscal Year 2024: ¥4,420,000 (Direct Cost: ¥3,400,000、Indirect Cost: ¥1,020,000)
Fiscal Year 2023: ¥6,370,000 (Direct Cost: ¥4,900,000、Indirect Cost: ¥1,470,000)
Fiscal Year 2022: ¥7,410,000 (Direct Cost: ¥5,700,000、Indirect Cost: ¥1,710,000)
Fiscal Year 2021: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
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Keywords | 薬剤耐性 / 新型コロナウイルス / 下水処理 / 国際比較 / 下水疫学 |
Outline of Research at the Start |
世界的な蔓延が懸念されている新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)と薬剤耐性菌を対象として、下水ゲノム情報を用いた熱帯アジア途上国における感染症の時系列変化と越境拡散の要因を明らかにする。タイ・インド・スリランカの主要都市の下水中の微生物ゲノム配列解析により、各国・地域に特徴的なSARS-CoV-2変異株・耐性遺伝子との関連を多変量解析を用いて明らかにする。国際移動制限の緩和前後で比較を行い、人の国際移動が越境拡散に与える影響を明らかにする。
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Outline of Annual Research Achievements |
タイ・インド・スリランカ・日本の下水処理場において,下水と活性汚泥の定期採水を進めた。各国での定期採水は継続中であるが,採水済の一部のサンプルについて,DNA抽出とメタゲノム配列解析を行い,薬剤耐性プロファイル分析を行った。その結果,日米欧中の下水・汚泥の薬剤耐性プロファイルと比較したところ,インド・スリランカは,他の地域と異なる特徴的な薬剤耐性遺伝子叢を有することがわかった。特に,インドの試料は,下水・汚泥とも16SrRNA遺伝子に対する薬剤耐性遺伝子の割合が他の地域と比較して顕著に高く,薬剤耐性菌が高い割合で存在していることが示唆された。 また,インド・スリランカの下水は他の地域と比較してテトラサイクリン系およびキノロン系薬剤耐性遺伝子が比較的高い割合で存在していることが明らかになった。以上の結果は,南アジア地域の下水および活性汚泥に含まれる薬剤耐性遺伝子叢が,日米欧中の他の地域とは異なる特徴を示唆している。南アジア地域の環境中の薬剤耐性の分布の知見(特に下水・汚泥中の網羅的な解析)は限られており,環境中の薬剤耐性の国際分布とその要因を理解するための新しい知見が得られた。 スリランカで採水した下水処理場サンプルからウイルス粒子を濃縮・精製し、ショットガンシーケンスした。得られたリードからウイルスゲノムを再構築したところ、5000種を超えるウイルス種が検出された。これらのウイルスゲノム内の薬剤耐性遺伝子、他の国・地域の下水処理場サンプル中のウイルス叢との違いについて解析を行った。 また,日本国内の環境水中の微生物叢把握のため,クーリングタワー水と浄化槽水を対象にした16S rRNAアンプリコンシークエンシングを実施した.クーリングタワー水ではレジオネラ属菌の有無や浴槽水との微生物叢比較や,浄化槽水では生物化学的酸素要求量や処理方式による微生物叢比較に向けた解析を行った.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
*試料・配列収集の状況:●インド:昨年度3月にインドの3箇所の下水処理場で採取した下水と汚泥試料のメタゲノム配列を取得した。●スリランカ:3箇所の下水処理場で採水を開始し,そのうち8月のサンプルについて同様にメタゲノム配列を取得した。また現地カウンターパートのルフナ大学によって月1回の定期採水を継続して実施し,試料保存を行った。●タイ:バンコクの5箇所の下水処理場において,下水・汚泥試料の12ヶ月のサンプリングを完了したが,ろ過過程に問題があることが判明したため,再度1年間の再採水を行うこととなった。なお,3月に採水したサンプルについては,遠心分離にて濃縮を行い,薬剤耐性プロファイル分析用にDNA抽出とメタゲノム配列解析を行った。●日本:春夏秋冬の各季節を含む13ヶ月5回分の通年サンプリングを完了し,DNA抽出とメタゲノム配列解析を完了した。 *解析の状況:南アジア地域(インドとスリランカ)のサンプルから得られたメタゲノム配列から薬剤耐性プロファイルを得た。日米欧中の下水・汚泥の薬剤耐性プロファイルと比較したところ,インド・スリランカは,他の地域と異なる特徴的な薬剤耐性遺伝子叢を有することがわかった。特に,インドの試料は,下水・汚泥とも16SrRNA遺伝子に対する薬剤耐性遺伝子の割合が他の地域と比較して顕著に高く,薬剤耐性菌が高い割合で存在していることが示唆された。 また,インド・スリランカの下水は他の地域と比較してテトラサイクリン系およびキノロン系薬剤耐性遺伝子が比較的高い割合で存在していることが明らかになった。
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Strategy for Future Research Activity |
各国での定期採水を進め,令和6年度中にすべての採水を完了し,9月および3月に渡航して試料の確認・運搬を行い,順次配列解析を行う。また,各試料の新型コロナウイルス濃度の定量を行い,変異株解析を行うのに十分なウイルス遺伝子量を有するサンプルを選抜し,変異株解析を行う。薬剤耐性遺伝子解析について,今回取得した4カ国(インド・スリランカ・タイ・日本)とINSDCデータベースから取得した欧米中の下水・汚泥サンプルと比較を行い,その共通性や差異性を明らかにするとともに,新型コロナウイルスの流行期前後における変遷を明らかにする。ウイルス叢解析についても,今回取得した4カ国(インド・スリランカ・タイ・日本)の共通性や差異性を明らかにするとともに,ファージが保有数る薬剤耐性遺伝子と下水・汚泥中の薬剤耐性プロファイルと比較を行う。
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