Project/Area Number |
21KK0081
|
Research Category |
Fund for the Promotion of Joint International Research (Fostering Joint International Research (B))
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Medium-sized Section 25:Social systems engineering, safety engineering, disaster prevention engineering, and related fields
|
Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
小川 康雄 東京工業大学, 科学技術創成研究院, 教授 (10334525)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石須 慶一 兵庫県立大学, 理学研究科, 助教 (80880054)
南 拓人 神戸大学, 理学研究科, 助教 (90756496)
|
Project Period (FY) |
2021-10-07 – 2025-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
|
Budget Amount *help |
¥18,980,000 (Direct Cost: ¥14,600,000、Indirect Cost: ¥4,380,000)
Fiscal Year 2023: ¥6,110,000 (Direct Cost: ¥4,700,000、Indirect Cost: ¥1,410,000)
Fiscal Year 2022: ¥8,840,000 (Direct Cost: ¥6,800,000、Indirect Cost: ¥2,040,000)
Fiscal Year 2021: ¥4,030,000 (Direct Cost: ¥3,100,000、Indirect Cost: ¥930,000)
|
Keywords | 火山モニタリング / 人工電磁探査 / 周波数コム信号 / 水蒸気噴火 / ニュージーランド |
Outline of Research at the Start |
水蒸気噴火のトリガーとなる地下の熱水やガスの分布とその変動を捉えることは、既存の地震学的・測地学的な地球物理観測では困難である。一方、比抵抗は熱水やガスの分布に敏感な物理量であるため、電磁場でリモートセンシングすることによって、地下の熱水やガスの分布の時間変動を検知することができる。本研究では、高精度に制御された人工的な周波数コム電磁信号源を用いて、火山体を精密にモニタリングするシステムを用いて、ニュージーランド国ワイマング地熱地域のインフェルノ火口湖において、ニュージーランドの研究者と共同して観測を行い、その熱水系の時間変動を精密に捉える観測を実施する。
|
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度末に送信および受信装置の設置が完成し、インフェルノ火口湖のモニタリング観測を開始した。送信源は、1km程度離れた牧場に設置し、東西300m、南北250mの2系統の電流ダイポールからなり、このダイポールにGPSで精密に制御された20秒繰り返しの信号の発信を4Appで、停電のために7ヶ月で1回だけ送信を中断したが、そのほかは連続的に送信した。南北ダイポールの送信波形は、0.85Hzから322Hzまで対数等間隔に並ぶ10周波数からなるサイン波の合成である。東西ダイポールからは、南北ダイポールの周波数を0.1Hzずらした10周波数からなるサイン波の合成である。 10ヶ所の受信機では、水平電場2成分を7カ月に渡り、サンプリング周波数2400Hzで、データを取得した。2つのダイポールの信号は同時に発信されるが、周波数がわずかに異なるために、受信機の電場データとしては、分離して観測される。大地の電磁応答としてはこの0.1Hzの違いは無視できるので、結果として2成分の送信信号を同時に受信し、テンソル応答関数を得ることに成功した。データ処理は1時間の時間窓を単位として行われ、S/Nが10~100に達する高品位な観測データが得られた。 送信電流ダイポール2系統に対する、水平2成分の電場のテンソル応答関数が10ヶ所の電場受信点において、10周波数について、1時間ごとに得られた。電場信号の振幅は、観測点の地表付近の水分が降雨によって影響を受ける可能性が高いが、テンソル応答関数の実部と虚部を取り出して割り、位相テンソルを作成することでその影響を取り除ける。位相テンソルの時系列を作成し、火口湖の水位と水温と比較した。西端の観測点では、位相テンソルが、水温、水位と相関して変動していることが確認された。このことは、この観測手法が、蒸気熱水系のモニタリングに有益な観測方法となることがわかった。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
ニュージーランド側の共同研究者の多大な貢献によって、実験観測がスムーズに行われた、当初の目的であった火口湖の水位および水温と対応する電磁レスポンスを精密に、1時間の時間分解能で、7ヶ月に渡りほぼ連続に取得することに成功した。この手法が、熱水系の発達した火山のモニタリングに有効であることが示された。今後、この観測方法を、水蒸気噴火をする火山の監視観測に、実際に用いることができると期待される。
|
Strategy for Future Research Activity |
観測データの取得および、データ処理によって電磁応答関数を、時間分解能1時間の精度で取得することができた。まずはこれまでの観測データをまとめ、投稿論文としてまとめる。 ついで、観測データから地下の3次元比抵抗モデルを時間窓1時間の単位で解析し、その時間発展を、4次元トモグラフィーとして解明する。さらに、それを気液比に換算することによって、熱水系のダイナミクスを比抵抗構造からイメージ化する。
|