Project/Area Number |
21KK0115
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Research Category |
Fund for the Promotion of Joint International Research (Fostering Joint International Research (B))
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Medium-sized Section 40:Forestry and forest products science, applied aquatic science, and related fields
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
梶田 忠 琉球大学, 熱帯生物圏研究センター, 教授 (80301117)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 行人 琉球大学, 医学部, 准教授 (20566418)
今井 秀行 琉球大学, 理学部, 教授 (10359987)
津田 吉晃 筑波大学, 生命環境系, 准教授 (40769270)
磯和 幸延 琉球大学, 熱帯生物圏研究センター, 特命助教 (70782572)
ARTIGASRAMIREZ MARIADANIELA 琉球大学, 熱帯生物圏研究センター, 協力研究員 (40893269)
和智 仲是 琉球大学, 熱帯生物圏研究センター, 助教 (40635299)
鍵谷 進乃介 北海道大学, 北方生物圏フィールド科学センター, 専門研究員 (00914996)
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Project Period (FY) |
2021-10-07 – 2027-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥19,110,000 (Direct Cost: ¥14,700,000、Indirect Cost: ¥4,410,000)
Fiscal Year 2026: ¥3,120,000 (Direct Cost: ¥2,400,000、Indirect Cost: ¥720,000)
Fiscal Year 2025: ¥3,120,000 (Direct Cost: ¥2,400,000、Indirect Cost: ¥720,000)
Fiscal Year 2024: ¥3,120,000 (Direct Cost: ¥2,400,000、Indirect Cost: ¥720,000)
Fiscal Year 2023: ¥3,120,000 (Direct Cost: ¥2,400,000、Indirect Cost: ¥720,000)
Fiscal Year 2022: ¥5,720,000 (Direct Cost: ¥4,400,000、Indirect Cost: ¥1,320,000)
Fiscal Year 2021: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
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Keywords | 環境DNA / メタバーコーディング / 種多様性 / 底生生物 / 魚類 / マングローブ |
Outline of Research at the Start |
マングローブは人類にとって極めて重要な生態系であるが、劣化と破壊が世界各地で急速に進んでいる。生態系保全のためには生物多様性の全体像の把握が不可欠であるが、全世界に分布するマングローブ生態系全体を対象とする研究は極めて困難であり、十分には進んでいない。そこで本研究では、JSPS研究拠点形成事業で形成した国際共同研究体制をさらに継続・発展させ、広範囲な海外現地調査と国際共同研究を実施することにより、マングローブ生態系魚類及び底生生物の種組成や空間分布を、環境DNAメタバーコーディングを用いて全球スケールで把握する。これにより、マングローブ生態系の生物多様性研究を格段に発展させることができる。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、マングローブ生態系の魚類と底生生物の生物多様性を、環境DNAメタバーコーディングを用いて全球的に把握することを目的にしている。広範囲な海外現地調査と国際共同研究を実施することで、十分に研究が進んでいなかったマングローブ生態系の広範囲な生物種の分布パターンを、統一的な非侵襲的手法で、従来よりも早く容易に比較解析することが可能になる。 ■2023年4月-8月には代表者がマレーシアサバ大学に客員教員として滞在して、同大学における研究実施体制を現地の共同研究者らと共に確立し、サバ州におけるフィールドワークと研究活動を実施した。また、2024年1-2月には同大学から共同研究者を日本に招へいし、西表研究施設においてメタバーコーディング解析実験を中心とする研究活動を行った。同様にマレーシアでは、3月にノッティンガム大学マレーシア校の研究者を日本に招へいし、他事業で得たセネガル、南アフリカ、インド、スリランカ、タイ、インドネシア、フィリピン等のデータを加えた予備的解析を行なった。これにより、論文完成までの道筋について具体的な計画を立てた。また、マレーシアサバ州および半島部にからのデータ取得と解析については、概ね、完成までの目処がたった ■2024年1月にはブラジルの共同研究者を日本に招へいし、メタバーコーディング解析実験を中心とする研究活動を共同で行った。また、次年度以降の研究活動と現地調査について計画をたてた。これにより、計画調書に記載の予定を一部変更して、ブラジルでの調査と研究をオーストラリア・メキシコ等よりも先に進めることになった。 ■2023年7月には代表者がコロンビアを訪れ、マングローブ関係の国際会議であるMMM6において研究発表を行った。この国際会議では、オーストラリアおよびコロンビアの共同研究者らと今後の共同研究や現地調査について協議することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
■マレーシア・サバ州内の現地調査は、2022年度に実施予定だったが、Sabah Biodiversity Centre(SaBC)等からの調査許可(AccessLicence)の取得に時間がかかったため遅れていた。しかし、2023年度になって、対象地域の全てから調査許可が得られ、かつ、代表者が現地に長期滞在して、共同研究者らと集中的に現地調査を実施できたことにより、2023年度内にサバ州におけるほぼ全ての現地調査終了することができた。 ■2022年度末に確立したブラジル側共同研究者との研究体制は、2023年度後期にはさらに進めることができた。2024年1月にはブラジル側共同研究者を日本に招へいし、琉球大学においてメタバーコーディング解析やデータ解析を共に行い、ブラジルのマングローブ域のデータを得ることができた。また、2024年度以降の具体的な研究実施の計画を立てることができた。これらの進展を鑑み、計画調書に記載した予定を変更して、ブラジルでの調査・研究を他の地域に先駆けて、前倒しで実施することになった。2024年度には現地共同研究者に、ブラジル国内でさらに現地調査を実施できる見込みである。 ■2023年度には、コロンビアで開催されたマングローブの国際会議の場において、オーストラリアの共同研究者と現地調査と共同研究の実施計画について協議した。上記の通り、計画調書に記載のものとは順番を入れ替えて、2024年度以降はブラジルとの共同研究を先に実施し、オーストラリアでの調査はその後に実施する。ただ、2024度中には現地調査の実施体制についてさらに準備をすすめる予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
新型コロナウィルスの感染拡大による活動制限は、2023年度当初には世界各国でほぼ終了したため、現地調査の計画もたてやすくなった。また、対面でのミーティングも各国で再開され、複数の国際会議で本研究の内容を発表すると共に、共同研究者らと直接協議できる機会が増えた。 2024年度以降は新型コロナウィルスによる活動制限の影響はほぼ考慮することなく、研究活動を実施できるだろうと予想している。上記の通り、当初の計画を一部変更しブラジルの調査を先に進めると同時に、2023年度内に開始した、他の広域観測プロジェクトとの連携をさらに進めて研究を実施できると考えている。特に、環境DNAを用いた広域観測網であるANEMONEとの連携は密に進め、新たに、本研究を含む複数の国際的共同研究ネットワークが連携するANEMONEの国際観測を実施する計画がある。この計画を進めることで、本研究で目的とするマングローブの生物多様性の全球的観測をより進めやすくなる見込みである。
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