Live-imaging of meiotic chromosome structures on the absolute time axis
Project/Area Number |
21KK0129
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Research Category |
Fund for the Promotion of Joint International Research (Fostering Joint International Research (B))
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Medium-sized Section 44:Biology at cellular to organismal levels, and related fields
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Research Institution | National Institute of Genetics |
Principal Investigator |
酒井 則良 国立遺伝学研究所, 遺伝形質研究系, 准教授 (50202081)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
菊地 真理子 名古屋大学, 理学研究科, 助教 (20845135)
河崎 敏広 国立遺伝学研究所, 遺伝形質研究系, 特命助教 (30770630)
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Project Period (FY) |
2021-10-07 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥19,110,000 (Direct Cost: ¥14,700,000、Indirect Cost: ¥4,410,000)
Fiscal Year 2024: ¥2,860,000 (Direct Cost: ¥2,200,000、Indirect Cost: ¥660,000)
Fiscal Year 2023: ¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2022: ¥4,940,000 (Direct Cost: ¥3,800,000、Indirect Cost: ¥1,140,000)
Fiscal Year 2021: ¥6,630,000 (Direct Cost: ¥5,100,000、Indirect Cost: ¥1,530,000)
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Keywords | 減数分裂 / ライブイメージング / ゼブラフィッシュ / メダカ / 雌雄差 / 生殖細胞培養系 / 染色体構造 |
Outline of Research at the Start |
減数分裂では、特異的な染色体構造のダイナミックな動的変化とそれに伴う相同組換えの一連のプロセスが時間軸に沿って秩序立って起こる。その全体像を理解するためには、動的な変化の理解が不可欠であるが、脊椎動物ではまだ適当な実験系はない。本研究では、我々の精子形成培養系、器官培養系、遺伝子ノックイン技術と、Elkouby 博士の卵巣イメージング法を統合して、減数分裂特異的染色体構造の動的な変化を時間軸に沿ってモニターできる新規ライブイメージング法を確立する。
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Outline of Annual Research Achievements |
減数分裂では、相同染色体の対合といった染色体構造のダイナミックな動的変化とそれに伴う相同組換えのプロセスが時間軸に沿って秩序立って起こる。本研究では、ゼブラフィッシュにおける減数分裂全過程をカバーする精子形成培養系と卵巣イメージング法、およびメダカにおける卵巣と精巣の組織培養系を発展させて、染色体構造と組換えを制御する種々の因子の動的な変化を絶対時間軸に沿ってモニターできる新規ライブイメージング法を確立することを目的とする。 減数分裂期に入ると染色体は特徴的な軸-ループ構造をとり、組換えの進行に伴って、相同染色体を物理的に繋ぐシナプシス構造を形成する。そして、この構造を足場として一連の組換えタンパク質が秩序立って機能する。そこで、染色体の構造変化をモニターするために、ヒストンタンパク質、シナプトネマ構造タンパク質、テロメア結合タンパク質等の蛍光標識を行い、そのライブイメージング法を立ち上げ、減数分裂期のテロメア動態や染色体動態をライブイメージング化した。減数分裂異常を起こす変異体を複数作製し、これらを組み合わすことで、異常となる段階とその表現型を時間軸に沿って把握することが可能となった。また、減数分裂の雌雄差をもたらすメカニズムに迫るため、減数分裂染色体動態をライブイメージングで定量化し雌雄で比較した。減数分裂サブステージごとに染色体動態を定量した結果、パキテン期において染色体の急速な回転運動が検出され、その速度には雌雄差が認められた。減数分裂染色体はテロメアを介して細胞質の微小管モータータンパク質と連携していることから、減数分裂期における微小管の配向ダイナミクスを雌雄減数分裂細胞で解析した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2022年度までに、ゼブラフィッシュではHoechst 33342で処理した精母細胞や、ヒストンをGFP標識したh2a::H2A-GFP系統およびテロメア結合タンパク質をmScarletで標識したsycp1::mScarlet-terf1系統の精母細胞を用いて染色体イメージング法を確立し、テロメア結合タンパク質Terb2、2本鎖DNA切断制御因子のSpo11、DNA修復タンパク質Memdc2の変異体を作製できた(今井裕紀子博士との共同研究)。本年度は、減数分裂開始制御因子Meiosinの変異体を作製するとともに、変異体の表現型をイメージングにより解析するために、蛍光標識系統との交配を進めた。また、国際共同研究相手先のイスラエルElkouby研究室との系統・変異体の共有化を目的に、室温精子保存法による精子の輸送を試み、受精可能な精子を輸送できることを確認した。 メダカでは、2022年度までに卵母細胞と精母細胞の培養系を立ち上げ、SYCP3タンパク質をEGFP標識した生殖細胞をKakshineで染色して染色体運動のトラッキング解析を行い、減数分裂パキテン期で染色体が急速に回転運動し、雌雄でその速度に違いがあることを見つけた。本年度は、その運動に細胞質の微小管ネットワークが関連していると考え、減数分裂の各サブステージにおいてアセチル化チューブリンの免疫染色をおこなった。その結果、染色体回転運動の開始と同じタイミングで、核周囲に均一に分布していた微小管が中心体付近に局在するというダイナミックな現象が起こることが明らかになった。そして、この微小管の再配向は雌雄両方に認められたが、染色体の回転速度の早い卵母細胞でより顕著であることが分かった。
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Strategy for Future Research Activity |
ゼブラフィッシュでは、減数分裂期のDNA、染色体、テロメアに対してライブイメージングが可能となり、減数分裂開始から2本鎖DNA切断、DNA修復に至る過程の複数の変異体を準備できた。これらと、Elkouby研究室が持つ卵巣イメージング法を組み合わせて、雌雄の減数分裂過程で起こる制御を絶対時間軸で把握する予定である。また、メダカでは、染色体回転運動が生じるパキテン期には、核周辺の微小管ネットワークが再配向されることが明らかになったため、これらの観察結果をもとに、2024年度は微小管阻害剤投与実験による染色体回転運動の染色体高次構造形成(相同染色体の対合状態やシナプトネマ構造の維持、交叉形成など)における機能を解析する。そのために、超解像度顕微鏡および各種マーカーに対する免疫染色(SYCP1、SYCP3、DMC1、HEI10)を実施する。最終年度である2024年度は、本研究で明らかになった、ゼブラフィッシュとメダカの減数分裂サブステージの詳細な表現型や制御機構、ライブイメージングによる染色体動態およびその雌雄差と微小管の影響を、それぞれ学術論文にまとめて発表するとともに、得られた知見を統合して、絶対時間軸に沿った魚類の減数第一分裂前期プロセスを提示する。
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Report
(3 results)
Research Products
(17 results)