Project/Area Number |
21KK0185
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Research Category |
Fund for the Promotion of Joint International Research (Fostering Joint International Research (B))
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Medium-sized Section 63:Environmental analyses and evaluation and related fields
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
猪股 弥生 金沢大学, 環日本海域環境研究センター, 准教授 (90469792)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
梶野 瑞王 気象庁気象研究所, 全球大気海洋研究部, 主任研究官 (00447939)
瀬戸 章文 金沢大学, フロンティア工学系, 教授 (40344155)
植田 洋匡 一般財団法人日本環境衛生センターアジア大気汚染研究センター, その他, その他 (70026186)
川端 康弘 気象庁気象研究所, 応用気象研究部, 研究官 (90742726)
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Project Period (FY) |
2021-10-07 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥18,980,000 (Direct Cost: ¥14,600,000、Indirect Cost: ¥4,380,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,950,000 (Direct Cost: ¥1,500,000、Indirect Cost: ¥450,000)
Fiscal Year 2023: ¥2,860,000 (Direct Cost: ¥2,200,000、Indirect Cost: ¥660,000)
Fiscal Year 2022: ¥3,120,000 (Direct Cost: ¥2,400,000、Indirect Cost: ¥720,000)
Fiscal Year 2021: ¥11,050,000 (Direct Cost: ¥8,500,000、Indirect Cost: ¥2,550,000)
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Keywords | 大気微小粒子 / 放射 / 気候変動 / モデルシミュレーション / エアロゾル / 地球温暖化 / 放射収支 / 東アジア / 化学輸送モデル |
Outline of Research at the Start |
本研究では、都市域における大気汚染物質が、気象・気候に与えるメカニズムとその影響 を観測とモデルを用いて明らかにし、最終的には地球温暖化への予測精度向上を目指す。 大気エアロゾルは、短波・長波放射による加熱・冷却を通して大気成層を変化させ、乱流拡散と雲物理変化は、エアロゾルの物理・化学特性を連鎖的に変えるため、大気汚染物質が放射や気候変動に相乗的影響を及ぼしていると考えられる。そこで日本よりも大気汚染が深刻である中国・北京にある気象タワーを使用した鉛直方向の大気エアロゾル粒径分布・光学特性・視程・放射等の観測結果に基づき、大気汚染物質と都市気象変化の相乗作用や地球温暖化への影響を評価する。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、都市域における大気汚染物質が、気象・気候に与えるメカニズムとその影響を観測とモデルを用いて明らかにし、最終的には地球温暖化への予測精度向上を目指す。大気エアロゾルは、短波・長波放射による加熱・冷却を通して大気成層を変化させ、乱流拡散を局所的に1-2桁変化させること、また水分凝結が促進されることで粒子の直径が増大し、放射冷却をさらに加速し、霧、雲の発達を大きく変化させる。このような乱流拡散と雲物理変化は、エアロゾルの物理・化学特性を連鎖的に変えるため、大気汚染物質が放射や気候変動に相乗的影響を及ぼしていると考えられる。京都大学防災研究所・宇治川オープンラボラトリーの局地異常気象観測装置(タワー)に放射計を設置し、放射の計測を開始した。冬季にタワーの異なる高度(0,12,25,42m)において大気微粒子の粒子径濃度分布の測定を行った。粒子個数濃度は3つの分布で近似でき、小さい2つのモード径は大きく,3つ目のモード径は42.7から38.6nmと小さくなっていた。日中、暖められた大気の対流による鉛直混合、新粒子の成長の影響が示唆された。化学輸送モデルはNon - Hydrostatic Model(NHM); Chemを使用し、気象場のデータはWeather Research and Forecast Model (WRFver4.3.3)を使用した。環境省大気環境常時観測データのPM2.5観測値をもとに、モデル検証を行った。またこれまで使用していたNHM-CHEMに加えて新しいモデル(asuca-Chem)の開発を行った。都市域スケールの解析には、モデルを東アジアー都市域まで、ネスティングしなければならないため、モデルの計算領域の設定を行い、試行計算を開始した。モデルによるPM2.5濃度の計算値は、観測値を再現で来ていることが明らかになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
昨年度は、タワーをもちいて放射連続測定を実施し、また大気微小粒子の粒子径濃度の鉛直分布を観測できた。モデルシミュレーションについては、観測値との検証を行い、モデルの精度がいいことを確認できた。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでに、気象観測タワーの高度25m地点に放射計を設置して、高度別放射変動の通年観測を行っている。また、集中観測ではあるが、放射計を設置した気象観測タワーにおいて大気微小粒子粒度分布の観測を実施した。今後、PM2.5センサーをタワーに設置して、高度別PM2.5濃度の通年観測を行い,の変化と放射との関係を評価する予定である。また、放射、PM2.5濃度、大気微小粒子粒子径分布についての集中観測を、年に数回実施する。 特に、夜間に大気境界層あるいは逆転層がPM2.5や放射の測定高度内に下がってその形成と解消について解析を行う予定である。モデルシミュレーションについては、モデルの精緻化をするとともに、放射変動とPM2.5濃度の変化について評価を行う。
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