Hou much mangrove plantations in abandoned shrimp ponds increase ecosystem carbon storage
Project/Area Number |
21KK0186
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Research Category |
Fund for the Promotion of Joint International Research (Fostering Joint International Research (B))
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Medium-sized Section 63:Environmental analyses and evaluation and related fields
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
大塚 俊之 岐阜大学, 流域圏科学研究センター, 教授 (90272351)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金城 和俊 琉球大学, 農学部, 准教授 (30582035)
木田 森丸 神戸大学, 農学研究科, 助教 (70903730)
飯村 康夫 滋賀県立大学, 環境科学部, 講師 (80599093)
友常 満利 玉川大学, 農学部, 准教授 (90765124)
藤嶽 暢英 神戸大学, 農学研究科, 教授 (50243332)
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Project Period (FY) |
2021-10-07 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥18,980,000 (Direct Cost: ¥14,600,000、Indirect Cost: ¥4,380,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
Fiscal Year 2024: ¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2023: ¥4,030,000 (Direct Cost: ¥3,100,000、Indirect Cost: ¥930,000)
Fiscal Year 2022: ¥4,550,000 (Direct Cost: ¥3,500,000、Indirect Cost: ¥1,050,000)
Fiscal Year 2021: ¥4,420,000 (Direct Cost: ¥3,400,000、Indirect Cost: ¥1,020,000)
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Keywords | マングローブ / 炭素循環 / 土壌有機炭素 / クロノシーケンス / タイ王国 / 細根バイオマス / 比重分画 |
Outline of Research at the Start |
タイ王国では、近年になって生産性の低下に伴う古いエビ養殖池が放棄された荒廃地が増加しており、マングローブの自然再生や植林が進められている。マングローブ林の破壊によるCO2放出のリスク評価に比べて、このような荒廃地での生態系炭素貯留量の回復についての研究例はまだ少ない。本研究の目的は、マングローブ植林地のクロノシーケンスを用いて、生態系炭素貯留量の時間的変化を明らかにし、特に土壌有機炭素の蓄積に与えるマングローブの直接的な効果を評価する事である。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究ではタイ王国のチャオプラヤー川河口に位置するBangpu公園におけるマングローブ植林地を対象として、植林が生態系炭素貯留量に与える影響をクロノシーケンスの手法から明らかにするとともに、特に土壌有機炭素の蓄積のプロセスとその起源を明らかにすることを目的としている。2023年2月に林齢の異なる4カ所(10, 12, 14, 18年)の植林地で、土壌を3 m深度までサンプリング(4反復)した。また細根バイオマスの測定のために1m深度までの土壌をサンプリング(6反復)して、細根を仕分けした。18年生のサイトには植林前からのマングローブ成木個体が残っていたので、10年生から14年生の4年間で比較すると木部バイオマスは40%増加する事がわかった。また1 m深度までの細根バイオマスは、14年生のサイトでは有意な増加が見られ、特に深度別にみると表層では有意差がないが15-30 cmと30-50 cmの深度で細根が増加する事がわかった。土壌については1 m深度までの処理が終了しているが、バルク土壌で比較すると10年生から14年生の4年間で炭素ストックは1.3倍に増加した。また0 - 50 cmでの増加量に比べて、50 - 100 cmでの増加量が大きくなった。また、さらに土壌の機能性成分としてhigh-density fraction (HF), free low-density fraction (f-LF), mineral-associated LF (m-LF)に比重分画を行った。どの成分も林齢が古くなると表層よりも深部で増加して、特に易分解性画分(m-LF)の増加が明瞭であった。さらに、深いところでの細根バイオマスの増加が見られることからも、植物残渣(特に細根リター)の土壌への安定的な取り込みが短期間で進行している事が確認された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2022年夏頃までは新型コロナウィルス感染症の影響がまだ継続しており、タイ王国でのサンプリングが難しい状況にあったために、土壌の分析や解析手法について国内のマングローブ林での検討を進めており、やや進捗が遅れていた状況にあった。しかし、実績の概要にあるように2023年の2月に、現地での土壌と細根の集中的なサンプリングを行う事が出来た。現在はこれらの試料を日本で解析を行っているところである。その結果、マングローブ植林地のバイオマス(細根バイオマスと木部バイオマス)の時間的変化については、解析を終えて、計画通り論文を投稿中である。また土壌についても1 m深度までの処理を終えており、土壌炭素貯留量についての投稿論文を準備中である。現場での細根生産と分解についての研究は、コロナウィルス感染症の影響だけでなく、技術的な問題から石垣島のマングローブ林での検討を行ってきたが、タイ王国での測定を2023年3月から開始した。このように現状では、ほぼ計画通りに研究が進捗している。
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Strategy for Future Research Activity |
植物バイオマスと細根バイオマスの時間的変化については調査が終了し、論文を投稿中である。土壌有機炭素量の推定と、比重分画についても1 m深度まで終了している。さらにバルク土壌と、その比重分画については1 m深度以降の3 m土壌までの処理を継続する。またこれらの比重分画試料を用いて、土壌炭素量の増加のメカニズムを明らかにするために、起源解析を行う。土壌に含まれる有機炭素の起源としてはマングローブ由来、陸上由来、海洋由来に分別し、それぞれのエンドメンバーとして比重分画で得られた細根、近傍河川中のPOC、近傍海水中のPOCを採取した。比重分画後の土壌、及びこれら3つのエンドメンバーについて炭素と窒素の安定同位体比を測定する。これらの結果から各エンドメンバーの土壌画分への相対的寄与を算出するための混合モデルを作成し、土壌有機炭素プール全体の起源を明らかにする。 さらに、土壌有機物の起源としてマングローブの細根リターが重要である事が推測されたため、深度別の細根の回転率の推定と、現在までに測定した細根バイオマスデータから、細根生産量を推定する。細根回転率はEnRoot法による細根画像の連続撮影に基づいて推定する。1 m深度のアクリルチューブを2023年3月に現地に設置し、チュラロンコン大学の共同研究者の協力を得て9月ごろから月に1度程度の撮影を開始する予定である。また細根リターの分解速度の推定のために、2023年3月の乾季に設置したroot bagの回収を行う。半年後の雨季(9月頃)と1年後の乾季(2-3月)に回収して、残存する根の重量減少を測定して、分解速度を推定する。
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Report
(3 results)
Research Products
(10 results)