Project/Area Number |
21KK0207
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Research Category |
Fund for the Promotion of Joint International Research (Fostering Joint International Research (A))
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 63030:Chemical substance influence on environment-related
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Research Institution | Tokyo University of Pharmacy and Life Science (2023) University of Tsukuba (2021-2022) |
Principal Investigator |
新開 泰弘 東京薬科大学, 生命科学部, 教授 (10454240)
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Project Period (FY) |
2022 – 2024
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥9,100,000 (Direct Cost: ¥7,000,000、Indirect Cost: ¥2,100,000)
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Keywords | サルフェン硫黄 / 大気汚染物質 / 毒性防御 / 環境中親電子物質 / 生体防御 / ラマン分光 |
Outline of Research at the Start |
メチル水銀や大気中ナフトキノン化合物などの親電子物質は環境中にユビキタスに存在し、ヒトの健康を障害しうるリスク因子である。申請者は生体内において想定される防御タンパク質として、サルフェン硫黄が結合しているタンパク質に着目し、タンパク質に結合したサルフェン硫黄を検出・定量する方法を確立した。本国際共同研究では、分析化学と環境毒性学に強い海外の研究者と連携することにより基課題をより発展させ、サルフェン硫黄結合タンパク質の分子構造と生体防御に関わる機能性を解明する。本研究の遂行により、ヒトの健康の維持・増進への学術的貢献を目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
メチル水銀や大気中ナフトキノン化合物などの親電子物質は環境中にユビキタスに存在し、ヒトの健康を障害するリスク因子であることが理解されており、それらに対する生体防御機構の理解は重要な課題である。研究代表者は生体内における親電子ストレスに対する重要な防御タンパク質として、サルフェン硫黄が結合しているタンパク質を想定し、当該タンパク質を検出・同定する方法を確立して解析を進めている。本国際共同研究では、分析化学と環境毒性学に強い海外の研究者2名とそれぞれ連携することによって基課題をより発展させ、サルフェン硫黄結合タンパク質の分子構造と生体防御に関わる機能性を明らかにすることを目的としている。 今年度は、特に大気汚染物質の環境毒性学分野で実績のあるアメリカ・カルフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)のArthur K. Cho博士との共同研究を実施するため、2023年7月10日から9月10日まで海外渡航した。当初は実際に大気汚染物質の回収作業を一緒に行う予定であったが、大気サンプルの回収作業におけるCho博士の研究協力者との予定が合わなかったため実施できなかった。しかし、以前に回収していたロサンゼルスの大気汚染サンプルを供与して頂き、タンパク質の親電子ストレス防御能に関わる実験に使用した。更に、UCLA滞在中はEnvironmental Cardiologyが専門のJesus A. Araujo博士の研究室のラボミーティングにも毎週参加し、当該研究室に所属しているDavid H. Gonzalez博士とも共同研究を実施する運びとなった。実際に、日本に帰国後、山火事の粒子成分や電子タバコの抽出物を供与して頂いた。環境中親電子物質の親電子修飾の標的となるモデルタンパク質としてはGAPDHを使用し、GAPDH結合性のサルフェン硫黄修飾の変化について、解析を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初は2022年度より渡航して研究を開始する予定であったが、新型コロナウイルス感染症の影響と研究代表者の所属先の変更に伴って新しい所属先との調整が必要になったため、2023年の夏に渡航開始を延期したことによる。今年度はその変更した予定通りに渡航し、UCLAにおいて約2ヵ月間、客員研究員として共同研究を実施できた。大気中サンプルなども入手することができたため、遅れを少し取り戻すことができたと言える。
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Strategy for Future Research Activity |
UCLAとの共同研究も続けながら、2024年度の夏頃にはイギリス・サウサンプトン大学に渡航し、予定していた共同研究を現地で実施する予定である。近年の円安の影響もあり、当初の予定よりは渡航期間を短くして対応する。
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