Project/Area Number |
21KK0245
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Research Category |
Fund for the Promotion of Joint International Research (Fostering Joint International Research (A))
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 12010:Basic analysis-related
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
石田 敦英 東京理科大学, 教養教育研究院葛飾キャンパス教養部, 准教授 (30706817)
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Project Period (FY) |
2022 – 2024
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥15,600,000 (Direct Cost: ¥12,000,000、Indirect Cost: ¥3,600,000)
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Keywords | 非局所型シュレディンガー作用素 / 分数べきラプラシアン / 相対論的シュレディンガー作用素 / ロルニック型摂動 / スペクトル理論 / 埋蔵固有値 / 非局所型作用素 / 散乱理論 |
Outline of Research at the Start |
本研究では、非局所型シュレディンガー作用素の固有値の分布構造を明らかにして、新しいスペクトル理論の構築を目指す。数理物理学に幅広く専門性がある海外共同研究者の協力の下、埋蔵固有値と呼ばれる非負の固有値にアプローチしていく。さらに応用として、得られた固有値の分布構造の理解を定常的散乱理論へと展開し、時間依存的散乱理論を相乗的に発展させることで、統一的な数学的散乱理論が完成する。また、海外において長期間研究に集中することで、国際性、独立性、研究フィールドの拡大といった研究代表者の成長に加え、研究室所属の大学院生の国際的活躍への還元など、より広く教育や社会へ貢献していきたい。
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Outline of Annual Research Achievements |
2022年度に、前半の目標としていた正の固有値の非存在、正の固有値の離散性および多重度有限性、ゼロ固有値の非存在については証明が完了し、国際共著論文が査読付き国際誌から出版されたので、後半の目標であるスペクトル散乱理論への展開の研究段階へと進んでいる。2023年度の具体的な取り組みは、分数べきラプラシアンや相対論的シュレディンガー作用素を含んだ分数階シュレディンガー作用素を摂動する相互作用ポテンシャル関数の新たなクラスの研究である。具体的には、1956年にRollnikによって提唱された、ロルニック型摂動条件を分数階シュレディンガー作用素の場合への拡張である。レゾルベントの積分核の様々な評価を導出することに成功し、それらを用いて分数階ロルニック型摂動条件を新たに提唱する。この条件をみたすポテンシャル関数の下、自己共役性やスペクトルの性質なども合わせて証明している。現在も論文の執筆が続いており、プレプリントサーバarXivでの公開と査読付き国際誌への投稿を予定している。この研究はJozsef Lorinczi氏に加え、フェデリコ2世ナポリ大学のGiacomo Ascione氏との共同研究として展開している。 2022年度に出版された国際共著論文に関して、積極的に研究発表を海外で実施した。ハンガリーのレーニアルフレード研究所、フィンランドのヘルシンキ大学、チリのカトリカ大学である。2024年度もすでにイタリアのサピエンツァ大学、スペインのバスクセンターから招待講演の依頼を得ており、今後も継続的に国際研究発表を実施していく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
積極的な国際研究発表に加え、新たな研究として分数階シュレディンガー作用素のロルニック型摂動条件の研究が進展しており、おおむね順調に推移していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
分数階シュレディンガー作用素のロルニック型摂動条件に加えて、分数階シュレディンガー作用素のストゥンメル型摂動条件の研究も進めている。2023年3月末から1年間、レーニアルフレード研究所に滞在することとなっており、研究の大きな進展を見込んでいる。ヨーロッパ諸国の多くの研究者との研究交流によってこちらでの研究フィールドの拡大を図りたい。
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