Project/Area Number |
21KK0292
|
Research Category |
Fund for the Promotion of Joint International Research (Fostering Joint International Research (A))
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 57050:Prosthodontics-related
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
重光 竜二 東北大学, 大学病院, 助教 (00508921)
|
Project Period (FY) |
2022 – 2024
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
|
Budget Amount *help |
¥12,870,000 (Direct Cost: ¥9,900,000、Indirect Cost: ¥2,970,000)
|
Keywords | 顎関節症 / 下顎運動 / 筋骨格解析 / 顎口腔機能 / 生体シミュレーション |
Outline of Research at the Start |
本研究では,Motion Capture技術に基づく逆動力学を専門とし世界屈指の研究開発力を有するAalborg University AnyBody Research Group (デンマーク)との国際的協力体制を構築し,「顎機能・咀嚼機能」を指標とした臨床検査システム(個体別筋骨格シミュレーション: Personalized Musculoskeletal Simulation) を開発する.すなわち,患者個々の口腔機能に基づいた診断および歯科治療効果の予測・評価を可能とする次世代型CAE based Digital Dentistryに資する研究である.
|
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、研究計画に基づいて患者別筋骨格解析手法の確立およびシミュレーション結果の分析を進めた。 解析においては、東北大学病院にて顎関節症治療を受けたの被験者およびコントロールとなる被験者の顎運動データを経時的に取得し、これによる動作定義によって被験者個々の関節の動きを生体シミュレーション上で再現した。具体的にはデータプロセシング後の運動データを筋骨格解析ソフトウェア(AnyBody)にインプットし、関節窩の形状を再現した拘束定義および、3次元空間における各コンポーネントの動作定義をし、ヒト下顎骨の左右側下顎頭の動きを再現する。以上により、患者個々の顎の動きを生体シミュレーション上で再現する解析手法を確立した。解析の結果から、臨床症状の認められる顎関節症症例では、患側・健常側における関節反力にて左右差が認められ治療の経過とともに変化していく様相が認められた。加えて、治療により関節窩における下顎頭の位置関係が変化し、それに伴って直線的・曲線的・二相性に運動経路が変化していく様相が見て取れた。 また、K-means法を用いた主成分分析法に基づいて、各被験者間における下顎運動の表現型に基づき運動特性を分析したところ、症状がある時点での動きと症状がない時点での動きを別のクラスターに分類することが可能であり、運動データに基づいた症状の分類がある程度の精度で可能であることが明らかになった。患者毎の治療経過における運動特性の変化を時系列で追うことができた。 本研究結果は、現存する検査のように、実際の運動や人間の咬む能力を把握するのみならず、生体内では測定することが難しい生体力学・運動学的パラメータの把握を可能とするもので、より効果的かつ詳細な顎機能評価へと繋がる可能性を秘めている。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
前年度に取得した臨床データに基づいた分析が順調に進展している。
|
Strategy for Future Research Activity |
次年度以降、取得した顎運動をインプットとした患者別ヒト筋骨格シミュレーションによる運動学的解析を進める。より分析項目を多角化し、運動範囲、運動タイミング、リズム、対称性などへと拡張する。また、咀嚼運動時のサイクリックな運動データに対して主成分分析を適応することにより、正常な運動と異常な運動の表現型に基づいて顎関節症における顎機能障害の特徴を同定し、新たな顎機能検査評価法の開発へと資する。
|