Budget Amount *help |
¥36,920,000 (Direct Cost: ¥28,400,000、Indirect Cost: ¥8,520,000)
Fiscal Year 2010: ¥36,920,000 (Direct Cost: ¥28,400,000、Indirect Cost: ¥8,520,000)
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Research Abstract |
本研究では,強相関遷移金属酸化物の界面電子状態の研究に適した手法のひとつである軟X線磁気円二色性測定,軟X線磁気線二色性測定を手段として用い,界面に出現する新規電子状態を観測しその発現機構解明することを目的とした.この目的ために,高性能で効率的な軟X線磁気円二色性,軟X線磁気線二色性測定系を,高エネルギー加速器研究機構・物質構造科学研究所と協力して開発することを計画した.フォトンファクトリーの偏光スイッチングビームラインに設置する新しい軟X線磁気円二色性測定装置として,イットリウム系超伝導マグネットを用いた軟X線磁気円二色性測定装置の仕様を検討し,測定系の設計を行なった.分割された小型の超伝導マグネットの中心で1テスラの磁場が得られることが設計の段階で確認された.また,寒剤を用いない伝導冷却で超伝導マグネットを動作させる方針で,軟X線磁気円二色性測定装置の仕様策定を行い,周辺の機構の細部設計を開始めた. これと並行して既存の軟X線磁気円二色性装置を用いて,二重ペロブスカイトLa_2CrFeO_6,およびSrTiO_3でキャップした強磁性体(La,Sr)MnO_3薄膜の軟X線磁気円二色性測定を行なった.La_2CrFeO_6については鉄原子とクロム原子のそれぞれに小さな磁気モーメントが観測された.(La,Sr)MnO_3薄膜については膜厚・磁場・温度に依存した大きな磁気モーメントが観測され,膜厚の増加による反強磁性絶縁体から強磁性金属への転移を示す結果が得られた.
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