Budget Amount *help |
¥4,420,000 (Direct Cost: ¥3,400,000、Indirect Cost: ¥1,020,000)
Fiscal Year 2012: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2011: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2010: ¥2,860,000 (Direct Cost: ¥2,200,000、Indirect Cost: ¥660,000)
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Research Abstract |
本研究は,乳幼児に対するX線医学検査による患者の被ばく線量を,乳幼児,特に0~1歳までの新生児に対して行われている種々のX線医学検査について,本研究で作製した新生児ファントム臓器線量計測システムを使用して,目の水晶体や,がんを発症することが知られている臓器ごとに測定・調査し,我が国における乳幼児X線医学検査による患者被ばくの実態を解明するとともに,被ばく線量低減の方策を探ることを目的としている。 本年度は,前年度作製した新生児ファントム臓器線量計測システムを使用して,種々のX線CT検査並びにX線単純撮影における被ばく線量データを取得した。 作製した臓器線量計測システムを大学病院および小児専門病院に持ち込み,世界の4大メーカーによる最近の多検出器列CT装置について,臨床で使われている撮影条件を使用して,頭部,胸部,心臓,腹部に対する乳幼児CT検査時の被ばく線量測定を行い,臓器線量並びに実効線量データを取得するとともに,CT装置による被ばく線量の違いを調査した。その結果,スキャン範囲内の臓器の臓器線量と実効線量は,頭部CTでは20~40mGyと2~3mSv,胸部CTでは3~9mGyと2~6mSv,腹部CTでは4~12mGyと2~10mSvのように,胸部や腹部のCT検査では,CT装置により被ばく線量レベルに3倍以上の開きがあることが判明した。 作製した臓器線量計測システムを大学病院および小児専門病院に持ち込み,臨床で使われているX線一般撮影装置並びに撮影条件を用いて,頭部,胸部,腹部,股関節などのX線単純撮影における被ばく線量測定を行い,線量データを取得した。その結果,臓器線量と実効線量は,頭部単純撮影では0.3mGy以下と12~24μSv,胸部,腹部,股関節単純撮影では0.2mGy以下と0.02~0.08mSv,ポータブルX線装置を使用した胸部,腹部,胸腹部の単純撮影では0.1mGy以下と0.02~0,03mSvのように,種々のX線単純撮影における乳幼児の被ばく線量レベルを解明できた。
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