Budget Amount *help |
¥2,990,000 (Direct Cost: ¥2,300,000、Indirect Cost: ¥690,000)
Fiscal Year 2011: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2010: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
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Research Abstract |
今年度は,第1に,環境アセスメントをめぐる訴訟に焦点を当てて,EU(とくにドイツ)と日本の裁量判断を手法について分析を進め,その成果の一部を環境法政策学会で報告した。その中において,日欧ともに,アセスメントの要否をめぐる訴訟が多いこと,日本においては,原告適格等を理由とする却下判決が依然として多いこと,EUでは,代替案の妥当性等に踏み込んだ判断がなされているのに対し,日本では,一部の判決を除き,広い裁量を認めていることなどの現状が明らかとなった。 第2に,第1の点との関連で,アセスメントをめぐる訴訟は,アジアの近隣各国でも注目を集めていることから,韓国の4大河川事業訴訟の現地で原告,担当弁護士等からもヒアリングを行い,アジア各国の共通性と独自性をも念頭に置きつつ,裁量統制のあり方に関する論点整理を行った。 第3に,秋には,生物多様性協約締約国会議(名古屋)に関連し,同事務局とオーフス条約事務局との共同ワークショップが開催されたことから,これに参加し,各国の関係者からオーフス条約をめぐる動向について,情報・意見交換を行った。また,オーフス条約の事務局担当者のヒアリングを行い,オーフス条約の司法アクセス規定等を日本に適用しようとした場合に必要となると考えられる具体的な論点につき,意見交換を行った。さらに,横軸としてのオーフス条約の理念や基本的考え方を生物多様性のような個別条約に組み込んでいく取り組みの成果と課題についても議論した。 第4に,公益訴訟をはじめとするオーフス3原則は,EUのみならず,アジアやラテンアメリカ諸国にも広がっていることから,オーフス条約の基となっているリオ宣言の採択地であるブラジルの状況についても,関係機関を訪問して情報収集,意見交換を行い,よりグローバルな観点から問題の整理を行った。
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