Project/Area Number |
22580333
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Research Field |
Basic veterinary science/Basic zootechnical science
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
度会 雅久 山口大学, 大学院・連合獣医学研究科, 教授 (40312441)
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Project Period (FY) |
2010
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2010)
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Budget Amount *help |
¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
Fiscal Year 2010: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
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Keywords | 細胞内寄生菌 / 胎盤 / 感染 |
Research Abstract |
妊娠母体は非妊娠個体に比べ、免疫応答が異なっていると考えられている。胎児を体内に宿すという特殊な環境下において、新型インフルエンザ等の感染症に罹患した場合、重症化することが懸念されている。その原因として、母体における免疫応答の関与が考えられている。重症化および流産は胎盤局所および全身の免疫応答が連動して引き起こされるものと推測される。本研究は胎盤における免疫応答、特に病原細菌と栄養膜巨細胞の相互作用を中心に解析し、妊娠の維持が生体防御に与える影響を検討した。ブルセラ、リステリアは胎盤の栄養膜巨細胞(TGC)へ感染し、細胞機能を阻害することによって流産を引き起こす。我々はブルセラ、リステリアのTGCへの感染機構を分子レベルで解析するために、栄養膜幹細胞(TSC)をTGCへ分化させたin vitro実験系を確立した。ブルセラ、リステリアが妊娠母体に感染すると胎盤形成期にTh1サイトカインであるインターフェロンγ(IFN-γ)の上昇が認められる。このIFN-γの上昇を中和抗体で阻害することによって、流産を防止することができる。IFN-γの上昇によってTGCに貪食能が発揮され、活性化することが認められた。TSCがTGCへ分化することによって、種々の表面レセプターが発現することが明らかになった。次に、IFN-γの処理の有無によって表面レセプターの発現パターンに変化が生じるかどうかマイクロアレイによって検討した。その結果、Toll-like receptor2(TLR2)とクラスBスカベンジャーレセプター(SR-B)の発現が増加した。TGCの表面に発現するレセプターの報告例は全くないため、本研究ではこの2つのレセプターと細菌感染との関係を解析した。両レセプターの抗体を用いた感染阻害実験、siRNAを用いたノックダウンTGCを作製し、これに菌を感染させ、感染効率に与える影響を解析したところ、これらのレセプターの機能阻害および発現低下により菌の感染が阻害された。以上の結果から、SR-Bが細菌の取り込みに関与していることが示唆された。また、TLR2は細菌のペプチドグリカン、ポリペプチドを認識することが知られている。TLR2が病原細菌を認識し、そのシグナル伝達によってTGCが取り込み能を発揮するものと推察された。これらの成果から、重症化および流産は胎盤局所および全身の免疫応答が連動して引き起こされるものと考えられた。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)