Budget Amount *help |
¥4,030,000 (Direct Cost: ¥3,100,000、Indirect Cost: ¥930,000)
Fiscal Year 2012: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2011: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2010: ¥2,340,000 (Direct Cost: ¥1,800,000、Indirect Cost: ¥540,000)
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Research Abstract |
小児造血幹細胞移植患児は著しい口腔粘膜の炎症を受けQOLが低下するばかりか,口腔常在菌による全身的感染症の危険性もある。また,口腔粘膜障害は疼痛により口腔清掃が困難になり,衛生状態の悪化をきたすことにより,症状が重篤化するケースが少なくない。そのため効果的な口腔ケア方法の確立が急務と言える。 今回,3DSを応用した口腔内除菌システムを試作し,実際の患児の口腔ケアに応用し,患児の唾液に含まれる細菌数を計測することで口腔内除菌効果を評価した。また,NIH作成の有害事象共通用語規準を改変した頬粘膜と歯肉の粘膜炎評価基準を作成し,3DS適応群と対照群の炎症状態を比較した。その結果,対照群の唾液中に含まれる細菌数はほとんど変化しなかったのに対し,3DS適応群では有意に細菌数の減少が認められた。また,対照群では粘膜状態にほとんど変化が認められなかったが,3DS適応群では粘膜炎が優位に改善した。さらに正常口腔粘膜細胞Gin-1を用いたin vitroの実験により,化学療法剤L-PAMは細菌由来高分子LPS,LTAと相乗的に細胞障害を起こしたことから,LPSおよびLTAが粘膜障害の増悪因子となっている可能性が示された。 このことから,小児造血幹細胞移植患児への3DSを応用した口腔ケアより,口腔内細菌数が減少することで,LPSおよびLTAと化学療法剤の相互作用によって惹起される口腔粘膜炎を予防できる可能性が示唆された。
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