Project/Area Number |
22651016
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Risk sciences of radiation/Chemicals
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
小松 賢志 京都大学, 放射線生物研究センター, 教授 (80124577)
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Project Period (FY) |
2010
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2010)
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Budget Amount *help |
¥3,300,000 (Direct Cost: ¥3,300,000)
Fiscal Year 2010: ¥3,300,000 (Direct Cost: ¥3,300,000)
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Keywords | 脳腫瘍 / がん幹細胞 / DNA修復 / 放射線抵抗性 / Sox11 / Plag11 |
Research Abstract |
グリオブラストーマはもっとも悪性の脳腫瘍で平均生存率は12ヶ月に満たない。原因は電離放射線や制がん剤などに抵抗性であることによるが、その機序が近年のがん幹細胞の概念から解明されつつある。本研究は、グリオブラストーマのがん幹細胞と非幹細胞の可逆的な変換による細胞生物学的特性の変化から、グリオブラストーマの放射線抵抗性の機序を明らかにする事を目的とする。実験には、熊本大学脳外科から提供されたヒトグリオーマ幹細胞hGIC1とhGIC2を用いた。この細胞では、グリオーマ幹細胞マーカーplag11が高発現している事が確認された。この細胞に神経分化因子sox11を電気穿孔法で導入すると、plag11の発現が見られなくなった。このように、sox11の強制発現によりヒトグリオーマ幹細胞からヒトグリオーマ癌細胞への人工的な変換に成功した。これらの細胞を用いてDNA架橋を誘導する制がん剤感受性を比較した結果、ヒトグリオーマ幹細胞で顕著な抵抗性が見られた。DNA架橋剤の修復には相同組換えが必要なことから、ヒトグリオーマ幹細胞で相同組換え能が昂進、逆にヒトグリオーマ癌細胞では相同組換え能が低下していることが判明した。同様な結果はマウスグリオーマ細胞株mNSCL61-8Bで確認された。DNA二重鎖切断の指標であるH2AXのリン酸化は137Cs-γ線照射により、いずれの細胞でも同程度に起こることから、放射線あるいはシスプラチンに対するグリオブラストーマの抵抗性は、DNA修復能とりわけ相同組換えの活性化に原因する可能性が示された。
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Report
(1 results)
Research Products
(4 results)