Budget Amount *help |
¥3,200,000 (Direct Cost: ¥3,200,000)
Fiscal Year 2010: ¥3,200,000 (Direct Cost: ¥3,200,000)
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Research Abstract |
生物学的窒素除去プロセスを開発し,高効率に運転管理するためには,プロセスの鍵を握る微生物群を検出し,それらを制御する必要がある.特に,脱窒素細菌群は系統学的に多様性が大きく,従来の16S rRNAを標的としたFISH法で網羅的に検出することはできない.そこで本研究では,脱窒素細菌群が保有するnirS遺伝子に着目し,その転写物であるnirS mRNAを標的とした排水処理プロセス中の脱窒素細菌群のFluorescence in-situ hybridization(FISH)法による検出法の開発を行った.FISH法に用いるプローブには,より広い検出レンジで標的微生物群を検出可能かつ高い特異性を達成可能なオリゴヌクレオチドプローブを採用した.また,通常のFISH法では細胞内低コピー分子であるmRNAの検出が困難であると考えられるため,Tyramide signal amplification(TSA)反応を利用した高感度FISH法のCatalyzed reporter deposition(CARD)-FISH法の適用を行なった.まず,nirS mRNA配列に特異的なnirS2RプローブのΔG°を計算し,高い親和性を持つプローブであることを確認した.次に,5'にHorseradish peroxidase(HRP)を標識したnirS2RプローブのFISHプローブとしての有効性の実験的評価を,Clone-FISH法を用いて行った.その結果,nirS2RプローブはFISHプローブとして適用可能であり,最適条件下においては,汚泥内で発現したnirS mRNAのみを特異的に検出可能であることを示した.そして本手法を,純粋菌株nirS遺伝子を保有するみPseudomonas stutzeriに適用したところ,低酸素条件下で培地に亜硝酸塩添加した場合にnirS mRNA由来と考えられるシグナルを得ることに成功した.また,し尿を処理する実排水処理サンプルに対しCARD-FISH法を適用したところ,一部の菌体からmRNA由来と考えられるシグナルが検出できた.ただし,DAPI染色細胞に対するnirS2Rプローブ検出細胞の検出率は0.1%以下であったため,今後,本手法の妥当性・有用性をより詳細に検討する必要がある.
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