Project/Area Number |
22655011
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Organic chemistry
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
久新 荘一郎 群馬大学, 大学院・工学研究科, 教授 (40195392)
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Project Period (FY) |
2010
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2010)
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Budget Amount *help |
¥3,200,000 (Direct Cost: ¥3,200,000)
Fiscal Year 2010: ¥3,200,000 (Direct Cost: ¥3,200,000)
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Keywords | π単結合 / ビシクロ[1.1.0]ブタン / 結合伸長異性体 |
Research Abstract |
炭素-炭素π単結合が存在するかどうかを調べるために、種々の置換基をもつビシクロ[1.1.0]ブタンの理論計算を行い、最適化構造と分子軌道を求めた。その結果、橋頭位にアルコキシ基などの電子供与基が結合し、ビシクロ[1.1.0]ブタン環の2,4位にフッ素などの電子求引基が結合すると、ビシクロ[1.1.0]ブタンは平面構造をとり、橋頭位に炭素-炭素π単結合が形成されることがわかった。 橋頭位に電子供与基が結合し、2,4位に電子求引基が結合したビシクロ[1.1.0]ブタンの合成を次のような方法で検討した。まず、電子供与基が結合したアルキンにジフルオロカルベンやジクロロカルベンを付加させて、シクロプロペン誘導体を合成し、これにジフルオロカルベンやジクロロカルベンをもう一つ付加させて、目的化合物の合成を行うことにした。ジフルオロカルベンはブロモジフルオロ酢酸ナトリウムをジグリム中で加熱して発生させ、ジクロロカルベンはクロロホルムにカリウムtert-ブトキシドを作用させて発生させた。アルキン上の置換基としては、フェニル基、ジフェニルホスフィニル基、ジフェニルチオホスフィニル基、ジエチルアミノ基を用いた。その結果、ジフルオロカルベンやジクロロカルベンはアルキンに対して1分子が付加してシクロプロペン誘導体が生成するが、もう1分子の付加は進行しにくいことがわかった。そのため、別のルートの合成法として、現在、1,3-ジハロシクロブタンの還元によってビシクロ[1.1.0]ブタン骨格を形成することを検討している。
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