Project/Area Number |
22657054
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Developmental biology
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
平良 眞規 東京大学, 大学院・理学系研究科, 准教授 (60150083)
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Project Period (FY) |
2010
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2010)
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Budget Amount *help |
¥3,100,000 (Direct Cost: ¥3,100,000)
Fiscal Year 2010: ¥3,100,000 (Direct Cost: ¥3,100,000)
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Keywords | 脊椎動物 / アフリカツメガエル / 胚発生 / モルフォゲン / Wnt / sFRP / 光活性化型蛍光蛋白質 |
Research Abstract |
モルフォゲンとして働く分泌性蛋白質の一連の挙動を知ることは、発生過程での位置情報の形成やパターニングを考える上での基礎となる。しかしこれまでリガンドの拡散動態についての数理モデル使った解析は行われていなかった。一方、我々はこれまでWntリガンドと、それに結合する分泌性蛋白質sFRP(Frzb、Crescentなど)に蛍光蛋白質を融合させ、アフリカツメガエル胚に発現させてその分布の違いを観察した。そこで本研究では、WntとsFRPの拡散動態の数理モデルを構築し、拡散パラメーターの定量化を試み、さらに細胞間隙での拡散性を規定する要因を探った。 1)光転換型蛍光蛋白質mKikGRと数理モデルを用いた動態解析 mKikGR融合蛋白質をアフリカツメガエルの初期原腸胚に発現させ、細胞間隙に分泌されたものに対して光照射により緑から赤への光転換を行い、経時的に共焦点顕微鏡で赤色蛍光の減衰を測定した。次いでそのデータを、拡散方程式から観察方法に適するように1次元の単純拡散として導いた数式にフィッティングさせることで、見かけの拡散係数を求めることに初めて成功した。その結果、Wnt8は0.06μm2/s、Frzbは0.18μm2/s、Crescent存在下のWnt8は0.2μm2/sと計算された。これらの値はCrescentによりWnt8の拡散性が増大するというこれまでの定性的結果と一致するものである。 2)細胞外マトリックスとの相互作用 分泌性Venus(SP-Venus)が細胞間隙に検出されないことから、蛋白質が細胞間隙に留まるには細胞外基質との極作用が必要であるとの仮説の下に以下の2つの実験を行った。1つはヘパラン硫酸に注目し、SP-Venusにヘパリン結合配列(HB)を付加したところ細胞間隙に検出されるようになった。2つめは抗HA抗体のcDNAをクローニングし、膜貫通ドメイとを融合してカエル胚で発現させたところ、HAタグを付加したSP-Venusが抗体発現領域の細胞間隙に検出された。これらよりリカンドが細胞外間隙に局在して分布するには細胞外基質との相互作用が必須の条件となることが示唆された。
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