新規尿検査としての尿中エキソゾーム分画中腎症マーカー蛋白の検出
Project/Area Number |
22659113
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Laboratory medicine
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
吉田 治義 福井大学, 医学部, 助教 (80135574)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
糟野 健司 福井大学, 医学部附属病院, 助教 (60455243)
岡田 敏春 福井大学, 医学部附属病院, 臨床検査技師 (20534027)
木村 秀樹 福井大学, 医学部, 准教授 (20283187)
高橋 直生 福井大学, 医学部附属病院, 助教 (30377460)
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Project Period (FY) |
2010
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2010)
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Budget Amount *help |
¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2010: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
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Keywords | エキソゾーム分画 / 尿中マーカー / 急性腎障害 / チオレドキシン / 酸化ストレス / 人工心肺手術 / ヘテロマルチマー / バイオマーカー |
Research Abstract |
可溶分画でのELISA法、エキソゾーム分画を含む分画別測定での超遠心とウエスタンブロット法はいずれも臨床検体を試料としてアッセイが成立することが分かった。急性腎障害11例、顕微鏡的多発血管炎10例、間質性腎炎13例、IgA腎症20例;膜性腎症8;メサンギウム増殖性腎炎10例、巣状糸球体硬化症8例、全身性エリトマトーデス6例、人工心肺6例、腎移植8例、その他の腎臓病19例、健常人20例の合計113例で検出対象としていたチオレドキシン(TRX)は尿中可溶分画において急性腎障害で正常対照の10倍以上の有意な上昇を示した。他の腎疾患では有意な上昇を認めなかった。ROC解析で35.2ng/mgCreをカットオフ値とした場合、AUC 0.90、感度0.90、特異度0.82でAKIに特異性の高い鋭敏なバイオマーカーであることが分かった。人工心肺手術の術中患者尿では尿中TRXはAKIの際、早期AKIマーカーNGALとほぼ同時に早期にピークを示し、その後、急速に低下して低値を維持した。ピーク後の尿中TRXがベースラインまで回復する症例は予後が良好であった。臨床検体、マウス、人腎尿細管培養細胞の培養上清において、既存のAKIマーカーKIM-1、NGALなどとの比較検討した結果、尿中TRXは酸化ストレスにより特異的なAKIバイオマーカーとして有用であることが分かった。分画別測定では正常対照ではTRX(12kDa)がエキソゾーム分画に特異的に存在することが分かった。急性腎障害ではTRXが沈査分画・エキソゾーム分画・上清分画のすべてに存在し、かつホモマルチマーまたは制御性結合蛋白とのヘテロマルチマーとして存在する可能性が示唆された。 マルチマー化は当初予想しなかった観察結果であり、今後、プロテオーム解析等を行うことで病態解明を含めた初期計画以上の成果につながる発展が期待される。
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Report
(1 results)
Research Products
(8 results)