Research Project
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
血清LDLコレステロール(LDL-C)値の上昇は虚血性心疾患の危険因子であり、その代謝機構を理解することが病態メカニズムの解明や治療法の開発に重要である。本研究では多価不飽和脂肪酸(PUFA)の合成に関わる脂肪酸伸長酵素Elongation of very long-chain fatty acids family member 5(Elovl5)の肝臓における生理的意義とコレステロール代謝への影響を検討した。アデノウイルスによりマウスの肝臓でElovl5を過剰発現すると、炭素数(C)18のPUFAの減少とC20、C22 PUFAの増加が認められた。Elovl5過剰発現により肝臓でコレステロール合成系酵素群の遺伝子発現が増加し、血中コレステロール値が増加した。一方、アデノウイルスによりマウスの肝臓でElovl5をノックダウンすると、過剰発現とは逆にC18 PUFAの増加とC20 PUFAの減少が認められた。またマウス肝臓ではコレステロール合成系酵素群の遺伝子発現が減少し、血中のコレステロール値も減少した。したがって、Elovl5はPUFAのC18からC20への伸長を担っており、Elovl5による脂肪酸組成の変化がコレステロール代謝に影響を及ぼすことが明らかになった。今後、Elovl5とコレステロール代謝のリンクを担う鍵因子や分子機序を解明し、脂肪酸組成制御に基づいた脂質異常症や動脈硬化症の新しい治療法の開発につなげたい。
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