新生児期の栄養環境のエピゲノム記憶と成人期における疾患感受性の分子機構の解明
Project/Area Number |
22659174
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Metabolomics
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
小川 佳宏 東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 教授 (70291424)
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Project Period (FY) |
2010
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2010)
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Budget Amount *help |
¥3,000,000 (Direct Cost: ¥3,000,000)
Fiscal Year 2010: ¥3,000,000 (Direct Cost: ¥3,000,000)
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Keywords | エピジェネティクス / 脂質代謝 / DNAメチル化 / 新生仔 / 網羅的解析 / 生活習慣病 |
Research Abstract |
多くの疫学調査により、胎生期の栄養環境が成人期に発症する肥満や生活習慣病に関連する可能性が指摘されている(Developmental Origins of Health and Disease ; DOHaD)。一方、胎生期のみならず個体の成長が著しい新生児期も全身臓器の可塑性が高い時期であり、新生児期の栄養環境が成人期の肥満や生活習慣病の疾患感受性に影響を与える可能性がある。本研究は、従来知見のなかった新生児期の肝臓におけるde novo脂肪合成のエピジェネティクス制御の分子機構の解明を目指す新しい試みである。本研究で我々は、種々の栄養状態において雄性C57BL6マウスの肝臓における脂肪合成遺伝子のDNAメチル化状態を検討したところ、肝脂肪合成の律速酵素グリセロール3リン酸アシル基転移酵素(GPAT)遺伝子プロモーターにおけるDNAメチル化の程度が遺伝子発現と逆相関することが判明した。DNAメチル化の変化はGPAT遺伝子プロモーターに特異的であり、他の脂肪合成遺伝子には認められなかった。さらに培養細胞を用いた検討により、DNAメチル化によりGPAT遺伝子プロモーター転写活性が抑制されることが明らかになった。以上より、DNAメチル化によりGPAT遺伝子はエピジェネティクス制御を受けることが示唆された。また、DNAメチル化の網羅的解析法であるMIAMI法(Oncogene 25:3059-3064,2006)のセットアップを完了し、胎仔期~新生仔期~成獣期のマウスの肝臓におけるDNAメチル化状態を網羅的に解析している。本研究のさらなる発展により、好ましいメチル化状態の維持を育児用粉乳や妊婦用の栄養補助食品によってサポートする、新しい機能性食品分野が生まれることが期待される。
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Report
(1 results)
Research Products
(5 results)