Project/Area Number |
22659178
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Endocrinology
|
Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
伊藤 裕 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (40252457)
|
Project Period (FY) |
2010
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2010)
|
Budget Amount *help |
¥3,000,000 (Direct Cost: ¥3,000,000)
Fiscal Year 2010: ¥3,000,000 (Direct Cost: ¥3,000,000)
|
Keywords | 血管老化 / ヒトES細胞 / ヒトiPS細胞 / 血管平滑筋細胞 / 血管内皮細胞 / Angiotensin II / Micro RNA / SIRT1 |
Research Abstract |
動脈硬化症を血管老化ととらえ、未分化ヒトES/iPS細胞から分化誘導した血管平滑筋および内皮細胞を研究材料として用いることで、血管老化制御のメカニズムを検討し、以下の知見を得た。 1.ヒトES細胞由来血管平滑筋細胞(ES-SMC)にAngiotensin II(A II)を添加し、老化細胞の検出をSA-β-gal染色で行ったところ、非添加細胞に比べてSA-β-gal陽性細胞の増加が確認された。この反応は、Angiotensin receptor blocker(ARB)であるValsartan(1μM)により有意に抑制された。さらに、A II投与によるp21およびp53の有意な増加を認め、この反応もARBにより抑制された。このことより、A IIによるES-SMCの老化促進にはAT1レセプターを介したp21/53の活性化が関与していることが示唆された。 2.ES-SMCにmicroRNA145(miR145)を導入することで合成型から収縮型平滑筋に成熟することが示唆された。一方で、miR145は内皮細胞に導入しても増殖や遊走といった細胞機能には影響を与えなかった。 3.ヒトES/iPS細胞由来血管内皮細胞(ES/iPS-EC)の細胞機能をヒト大動脈内皮細胞と比較検討したところ、増殖、遊走、酸化ストレス耐性能がES/iPS-ECで高いことを見いだした。この差異は何に由来するのかを明らかにするために、マイクロアレイ解析を行い、ES/iPS-ECではSIRT1発現が高いことに注目した。そこで、SIRT1をsiRNAで抑制したところ、両者の差が打ち消された。このことより、ES/iPS-ECの細胞機能においてSIRT1が重要な役割を担っていることが示唆された。 今後はこれらの成果をふまえて、動脈硬化性疾患における病態生理の理解を深めるのみならず、再生医療の実現に向けた研究をさらに推進していく。
|