Budget Amount *help |
¥3,000,000 (Direct Cost: ¥3,000,000)
Fiscal Year 2010: ¥3,000,000 (Direct Cost: ¥3,000,000)
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Research Abstract |
プラズマトランスジェニックスは高電界下でのイオンや反応活性種の働きを利用した全く新たなコンセプトによる分子導入法であり、遺伝子やその他の分子を効率よく簡便かつ迅速に導入することが可能である。本研究ではプラズマによる角化細胞への遺伝子導入の効率、持続性、細胞障害性に関して明らかにし、プラズマによる遺伝子導入角化細胞を用いた培養皮膚の作製の可能性、培養皮膚への直接の遺伝子導入の可能性について明らかにする。正常ヒト皮膚角化細胞を無血清培養法にて培養し、6cmのディッシュに角化細胞を播種し、50%程度のコンフルエンシーとなった時点で遺伝子導入を行った。プラズマ発生装置の可変パラメーラーとしては、電圧、duty,time,rotation speed,gas,gapがあるが、電圧、frequency,gasとgapは一定として、その他を変更し導入効率を観察した。遺伝子はGFPを用いた。プラズマ発生装置にディッシュを装着し、プラズマを照射する装置を用いた。電圧は2万5千ボルトに固定し、周波数は65で固定した。(1)コントロール群(照射なし)(2)duty;40,2秒1回、(3)duty;40,2秒2回、(4)duty;60,2秒1回の4群で比較した。(1)群では細胞に障害性はなく、3日後にはコンフルエントに達した。(2)群では照射直後には一部の細胞で浮遊したものがみられたが90%以上の細胞はダメージを認めず、3日後にはコンフルエントに達したがGFPの発現は全くみられなかった。(3)群では照射直後には照射部に一致して細胞壊死がみられ付着している細胞は10%以下となったが3日目には回復し増殖がみられた。遺伝子の発現はほとんどみられなかった。(4)群では照射部のダメージが強く、ほとんどの細胞が壊死となった。3日目でも細胞は回復せず不可逆的な細胞ダメージであった。遺伝子発現は全くみられなかった。COS7細胞でも同様の条件で遺伝子導入を試みたが10%以下の導入率であり、従来の報告とは異なっていた。プラズマ技術を用いて角化細胞への遺伝子導入を試みたが細胞障害性が高く、導入効率が低いため培養皮膚を用いたex vivo遺伝子治療開発には適さないことが示唆された。
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