Project/Area Number |
22684014
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (A)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Condensed matter physics I
|
Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
河野 行雄 The Institute of Physical and Chemical Research, 研究員 (90334250)
|
Project Period (FY) |
2010 – 2011
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2011)
|
Budget Amount *help |
¥25,610,000 (Direct Cost: ¥19,700,000、Indirect Cost: ¥5,910,000)
Fiscal Year 2011: ¥10,790,000 (Direct Cost: ¥8,300,000、Indirect Cost: ¥2,490,000)
Fiscal Year 2010: ¥14,820,000 (Direct Cost: ¥11,400,000、Indirect Cost: ¥3,420,000)
|
Keywords | テラヘルツ電磁波 / グラフェン |
Research Abstract |
本研究は、特異な電子状態・物性から近年急速に注目が高まっているグラフェン(グラファイトの単原子層)のテラヘルツ(THz,10^<12>Hz)電磁波応答の研究とTHzデバイスへの応用を目的とする。本研究の背景には以下の2点がある。(1)THzテクノロジーが、電波天文学・固体物理学・生体分子分光学などの基礎学術分野からセキュリティ・情報通信・医療などの実用分野に至る幅広い分野での応用が期待されているものの、この周波数帯域は光と電波の間に挟まれており、他帯域に比べ発展が立ち後れている。(2)グラフェンは線形なエネルギー対運動量の分散関係を示すことから、キャリアが質量ゼロのディラックフェルミオンと見なすことができる。そのため通常の電子系とは異なる特異な物性を発現することから、新しい電子・光デバイスへの応用が期待されている。本研究では、THz領域におけるディラックフェルミオンの振る舞いを探求し、グラフェンの新しいTHz素子を創出する。今年度は、THz電磁波照射下でのグラフェンの電気伝導を調べた。実験結果から、1.6THz~33THzの相当な広帯域におけるTHz応答を観測した。これは、通常の半導体とは著しく異なるランダウ準位形成下での、ディラックフェルミオンのTHz共鳴吸収(ランダウ準位間遷移)による光伝導現象に基づく。今回の実験は、遠赤外~中赤外の広帯域で周波数を選択しながら検出可能であること(チューナブル検出)を実証している。この優れた特性は従来の光伝導型半導体検出器では得られなかった、グラフェン特有のものである。
|
Report
(1 results)
Research Products
(15 results)