Research Project
Grant-in-Aid for Young Scientists (A)
ミトコンドリアは細胞内で融合と分裂を繰り返しながらその形態を維持している。この形態は細胞応答・分化・病変に伴い変化することは知られていたが、その分子機構は長らく注目・解析されてこなかった。我々は哺乳動物のミトコンドリア融合・分裂に機能するGTPase群とその関連因子を同定・解析しその基盤理解を進めてきた。今回、分裂因子Drp1のCre-LoxPを用いた条件特異的欠損マウスを構築し、様々な組織・発生時期におけるDrp1の要求性を解析することで、哺乳動物個体での発生・組織における生理機能の解析を行った。まず全身性にDrp1を欠損するマウスを構築したところ、胎生期に致死となっていることから、Drp1は初期発生において必須の機能を持っていることが明らかになった。神経特異的な欠損マウスを構築すると、生後直後に致死となっていた。この時、神経変性及び神経細胞死が観察された。このマウス胎児より初代神経培養細胞を構築すると、カルシウム依存的な細胞死が顕著に誘導されること、シナプス形成不全となることが明らかになった。一方、肝細胞特異的な欠損マウスを構築したが、このマウスは生育することが可能であり、また細胞死の誘導も観察されなかった。さらにこの肝細胞の細胞増殖を詳細に観察したところ、野生型のマウスと同様に細胞が増加しミトコンドリアも増殖可能であることが分かった。これらの結果から、Drp1に依存したミトコンドリアの分裂は組織によってそれぞれ異なる固有の機能を持っていることが明らかになった。
All 2011 2010
All Journal Article (5 results) (of which Peer Reviewed: 1 results) Presentation (8 results)
Journal of Biological Chemistry
Volume: (in press)
細胞工学
Volume: 29 Pages: 443-447
Volume: 29 Pages: 418-422
医学のあゆみ
Volume: 232 Pages: 659-664
生化学
Volume: 82 Pages: 39-42
10026300246