Budget Amount *help |
¥16,510,000 (Direct Cost: ¥12,700,000、Indirect Cost: ¥3,810,000)
Fiscal Year 2011: ¥7,410,000 (Direct Cost: ¥5,700,000、Indirect Cost: ¥1,710,000)
Fiscal Year 2010: ¥9,100,000 (Direct Cost: ¥7,000,000、Indirect Cost: ¥2,100,000)
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Research Abstract |
毛細血管拡張性運動失調症(Ataxia-Telangiectasia:AT)はヒト11番染色体上に存在するATM遺伝子の機能欠損により引き起こされる常染色体劣性の疾患であり、小脳失調に伴う神経変性,免疫不全や放射線感受性など多彩な表現型を示す。これまでに巨大な遺伝子を染色体レベルで搭載可能なヒト人工染色体(HAC)ベクターの開発を行い、HACベクターにATM遺伝子全長をクローニングすることで治療用ATM-HACベクターを作製してきた。本研究の目的はAT患者の死亡原因のトップを占める造血系表現型を対象とした、自己iPS細胞による遺伝子治療を行うこと、である。本研究においては、まず、ATM患者由来の培養細胞にレトロウイルスを用いてiPS細胞を誘導するため、まずSlc7a1遺伝子をレトロウイルスによりATM繊維芽細胞に導入した。次に、iPS化に重要とされる4つの転写因子(cMYC,OCT4,SOX2,KLF4)をレトロウイルスにより、上記Slc7a1導入ATM繊維芽細胞に導入した。ATM繊維芽細胞から作製できたiPS細胞(ATM-iPS細胞)をピックアップし、以下の解析を行った。1)各クローンにおいてES様の未分化マーカー(NANOG,OCT4,REX1,SOX2)が発現しているかをRT-PCR法、により確認した。2)3胚葉への分化能があるかを検討するために、SCIDマウスの精巣へATM-iPS細胞を移植し、テラトーマを形成させた。HE染色により分化能を検討したところ、3クローン中、2クローンで3胚葉への分化が確認された。来年度以降は上記ATM-iPS細胞へATM-HACを導入することで、自己iPS細胞による遺伝子治療モデル構築を目指す。
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