Budget Amount *help |
¥17,290,000 (Direct Cost: ¥13,300,000、Indirect Cost: ¥3,990,000)
Fiscal Year 2011: ¥9,620,000 (Direct Cost: ¥7,400,000、Indirect Cost: ¥2,220,000)
Fiscal Year 2010: ¥7,670,000 (Direct Cost: ¥5,900,000、Indirect Cost: ¥1,770,000)
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Research Abstract |
(目的)「臓器保存」の科学的なアプローチによる試みは、1904年ノーベル賞受賞者のアレキシスカレルから始まる。その歴史的流れの中で臓器凍結保存は、1950年代から本格的に始まった。しかしながら、水分子の氷晶形成の問題、臓器内の浸透圧勾配から細胞の破壊が著しく不可能とされてきた。その中でも、産婦人科領域では精子・卵子・受精卵等の凍結技術の進歩により、(臓器ではないものの)細胞・薄切組織としての凍結技術の臨床応用は非常に高い確率で成功している。今回我々は、工学系研究者と連携し、磁場を用いる事で、磁気共鳴現象・過冷却現象を発生させ細胞・組織のみならず、種々臓器そのものの凍結保存を試みた。特に卵巣においては、術後の12ヶ月間のfollow upを行う事で、形態学的・内分泌学的解析を行った。(方法)ラット5匹・カニクイザル1匹(卵巣)、ブタ1匹(卵巣のみ)を用いた臓器凍結・解凍後の組織学的検討を行った。対象凍結臓器は、脳・肺・腎蔵・肝臓・心臓・卵巣の5つの臓器とした。通常のプログラムフリージングによる凍結方法と、磁気共鳴現象を用いた凍結方法(以後、MRI,magnetic resonance influenced,organ freezing)を比較した。(結果)5つの臓器の中でも、臓器破壊が非常に少なかった臓器(脳・肺・肝臓)と、臓器破壊の非常に強い臓器(腎臓・心臓)に分かれた。(考察)今後、様々な凍結保護剤の使用、凍結条件の修正により、より良好な成績が期待できる。優れた臓器凍結保存方法は、遠隔地で発生した臓器提供者などからの臓器・組織・細胞の使用を可能にすることで、特に我が国において深刻な提供臓器不足の軽減に寄与する。また、臓器保存に関する研究は、再生医療における良好なグラフト臓器・組織・細胞の確保にもつながる。
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