Research Project
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
当初の予定では深いロングスリット分布による楕円銀河の外側領域の星の種族を研究する予定であったが、すばる望遠鏡への観測提案が認められなかったため、深い測光データから星の種族と調べる別の方法をとった。このようなアプローチは過去にもLa Barberaら(2010)によってz<0.1の4500個の銀河に適用されている。2011年4月に私はいわゆる「Bootes領域」(中心座標RA=14:30:00,Dec=34:17:00)の9平方度にわたる領域をすばる望遠鏡主焦点カメラによって観測した。具体的には良いシーイング条件下でzバンドでz_AB~24.1等に深さの撮像データを得た。この領域にはX線(チャンドラ)、紫外(ギャレックス)、可視(NOAOディープサーベイ)、近赤外(NEWFIRM)、赤外(スピッツアー)、遠赤外(ハーシェル)、電波(Westerbork)、かつAGESサーベイによる二万以上の天体の分光データがあり、私のzバンドデータをこれらと組み合わせることで星の種族の研究を含めた非常に多岐にわたるサイエンスが可能となる。私の解析の計画は以下の通りである。(1)zバンド撮像データを用い、面輝度分布の集中度から早期型銀河を選ぶ。(2)他波長データをチェックし同定された天体の色を調べる。(3)得られたサンプルをスタックし広い波長範囲の面輝度分布を求め、共同研究者が開発したソフトウェアにより銀河からの距離の関数として詳細な星形成史を求める。私の得たすばる望遠鏡画像と現存するBootes領域データにより、これまでにない規模でのスタック解析が可能となり、中心から数十kpc離れた領域まで星種族を調べることができる。また色プロファイルの赤方偏移進化によって重い銀河がどのように形成されたかを明かにすることができるであろう。
All 2011
All Presentation (2 results)