光子計数と干渉を用いた量子受信機とその量子通信への応用
Project/Area Number |
22740270
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Atomic/Molecular/Quantum electronics
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Research Institution | National Institute of Information and Communications Technology |
Principal Investigator |
武岡 正裕 National Institute of Information and Communications Technology, 研究員 (70415850)
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Project Period (FY) |
2010 – 2011
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2011)
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Budget Amount *help |
¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2011: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2010: ¥2,730,000 (Direct Cost: ¥2,100,000、Indirect Cost: ¥630,000)
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Keywords | 量子測定 / 量子受信機 / 量子光学 |
Research Abstract |
量子情報処理や量子通信を実現するためには、処理する量子状態に対して適切な量子測定を行う必要がある。本年度は、光子計数と干渉光による変位操作を用いた新しい量子受信機を提案し、2つの量子測定問題について、従来測定を超える性能の原理実証及び数値計算を行った。第1は、コヒーレント状態の2値位相変調(BPSK)信号を用いた光通信において、有限の測定失敗確率を許すことで信号検出誤り率を低く抑制する測定問題において、失敗確率を固定した条件で、従来のホモダイン測定の性能限界を超える低誤り率での状態識別が可能なことを原理実証し、また本方式を量子暗号に応用した場合の有用性を示した。本実験は、当初は実験系の構築から始める予定であったが、マックスプランク光科学研究所(ドイツ)の研究者との議論の際、先方の実験系を流用できることがわかり、共同研究として当方で提案と理論計算、マックスプランクでその実験を実施し、時間・研究費の大幅な節約に成功した。 第2は、コヒーレント状態重ね合わせを使った量子計算への応用を目指し、検出器にTESを用いた系による2値コヒーレント状態の任意の重ね合わせへの射影測定の実現であり、その数値計算や、測定の量子トモグラフィー手法の必要な改良を行った。数値計算では、本手法が現実的な環境下でもホモダイン、光子数識別などの従来の測定では不可能な高い忠実度を達成できることがわかった。また、多値コヒーレント信号に対する量子受信機を新たに提案し、数値計算による検討を行った。これらの成果に基づき本年度中に実験系の構築に着手する予定であったが、研究代表者の異動に伴い次年度の研究継続が不可能となり、その経費が不要となった。
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Report
(1 results)
Research Products
(12 results)