Research Project
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
現在、携帯電話などモバイル機器の小型化に伴い、低電圧駆動、低消費電力のデバイス装置が必要とされている。液晶は、ディスプレイとして実用化されているように、低電圧、低消費電力での駆動が可能である。本研究では、液晶を用いた低電圧駆動の小型モバイル機器向け流体駆動アクチュエータの開発を目的とする。平成22年度は、チップ化技術の完成を目指し研究を行った。実施項目は以下のものである。(1)液晶材料の検討これまでの成果から、セル内の粒子の運動は液晶性物質の粘性が強く影響することが判っている。そこで、粒子運動のゆらぎを少なくするために、より適切な粘性をもつ液晶物質を検討した。(2)配向処理法の検討粒子運動の空間分布をなくすためには、セル内で液晶配向にムラがないことが重要である。液晶配向は基板処理により決まるので、様々な、配向処理法を検討した。(3)液晶チップの設計および試作様々な基板素材を用いて、超薄型の液晶チップを作成し移動量の多く取れる構造を検討した。機構の試作のために機械部品および電子部品を必要とした。また、微小物体への基板からの摩擦の影響を調査した。(4)性能評価配向状態の観察は、偏光顕微鏡に長作動距離対物レンズおよびホットステージを組み合わせて行った。画像解析による変位測定を行い、チップ温度に対する変位量および応答速度を評価した。現在、得られた成果の発表を準備中である。平成23年度中には論文投稿および研究発表を行いたいと考えている。